カテゴリー「オペラ」の記事

2008/04/05

オペラティック・アワー2

 伯爵は悩んでいた。下僕のフィガロの結婚が間近に迫っているというのに、売られた花嫁が行方不明になってしまったからだ。そこで伯爵はある夜、こっそり屋敷を抜け出して、青ひげ公の城に相談に訪れた。広間にはウィンザーの陽気な女房たちが集まっていたが、あまりにうるさいのでそこを通り抜け、奥の部屋の扉を開けた。そこは礼拝堂になっていて、青ひげ公の相談役、修道女アンジェリカが聖母マリアの夕べの祈りを捧げている最中だった。そこで伯爵は、なんとかスザンナの居場所が明らかになるよう、神に祈った。すると、「このナイチンゲールの後を追いかけなさい」とのお告げが。早速、伯爵は目の前に現れたナイチンゲールとともにスザンナ探しの旅に出ることにした。

 最初にたどり着いた村はのどかな田園地帯のただ中にあった。村のロミオとジュリエットの二人が木陰で仲むつまじく、「ねえ、結婚しようよ」なんて甘く語り合っていたので、親切な伯爵は気を利かせて二人を近くの教会に連れて行き、彼の立会いのもと、結婚式を挙げてあげた。若者たちは狂喜乱舞した。が、それを知った両家の者たちは激怒した。で、彼らにつかまってこっぴどく痛めつけられている間に、ナイチンゲールがいつのまにかどこかに飛んでいってしまった。困り果てた伯爵は、その村に巡礼にきていた炎の天使に相談したところ、「この金鶏の後を追いかけなさい」と言われた。こうして旅はまた続いた。

 金鶏に導かれてやってきた村はスペインの時が支配していた。闘牛場の前でカルメンがドン・ホセと口論していたので、親切な伯爵は気を利かせて二人を近くの教会に連れて行き、彼の立会いのもと、告解を聞いてあげることにした。だが、期待とは裏腹に、カンカンに腹をたてていたカルメンが罵詈雑言を並べ立て、あっさりその場から立ち去ってしまったので、ドン・ホセにこっぴどく恨まれた。挙句にナイフで刺されそうになってしまったので、その村から命からがら逃げ出した。金鶏とはぐれてしまった伯爵はどこに行くべきか悩んでしまったが、峠の茶屋でお茶を飲んでいたドン・カルロに「あっちら」と言われたので、そちらへ向かった。

 そうしてたどり着いたところはムツェンスク郡のマクベス夫人のところだった。人間の声とも思えぬ恐ろしい奇声を上げるマクベス夫人になぜか気に入られた伯爵は、あろうことか愛の妙薬を飲まされかけたので、慌てて外套で身を隠し、彼女のもとから逃走した。魔の山の中まで入り込んだところ、そこでばったり出会ったのは旧友のジプシー男爵だった。彼は一人の女性を連れていた。「やや!おまえはスザンナ!」「まあ、あなたは伯爵!」やっと見つけ出したスザンナではあったが、彼女は伯爵のもとに一目散に駆け寄るなり、思いっきり平手打ちをかましてきた。「さんざんもてあそんだ挙句、このわたしをタンホイザーなんかに売りつけるなんて、いったいどういう了見?もう絶対に許しませんからね!」

 親切な伯爵は、自分の屋敷をまるごと持参金としてスザンナにつけてあげて、フィガロと結婚させることにした。住みかを失って怒ってしまった伯爵夫人はケルビーノを連れ、遠く南国の地へとさっさと逃避行してしまった。こうなると、もう皇帝ティトゥスの慈悲にすがるしかない。伯爵の悩みはまだまだ続くのであった。

*お知らせ

諸事情により、しばらくこのブログを休止することとしました。また、いつの日か、この場でお会いしたいと思います。それまで、皆さん、どうぞお元気で。

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2008/03/29

『魔笛』(ザルツブルク音楽祭)

Dvdzauberflotesalzburg DVDライブラリーより。

ムーティとウィーン・フィルが組んだ『魔笛』ということで、重厚感溢れるモーツァルトが展開される。ダムラウの夜の女王のアリアも随分堅牢で、がっしりとした印象。舞台上は車や飛行機まで登場するが、原色が咲き乱れ、ごてごてとした美術には深みがなく、至極単純な作りになっている。魔笛アレルギーを持つ私のような人間には、ちょっとご勘弁、という舞台。振付で田中泯が参加している。

★★★

ザラストロ:ルネ・パーペ
タミーノ:ポール・グローヴズ
パミーナ:ゲニア・キューマイア
パパゲーノ:クリスティアン・ゲルハーヘル
パパゲーナ:イレーナ・ベスパロヴァイテ
夜の女王:ディアナ・ダムラウ
その他

合  唱:ウィーン国立歌劇場合唱団
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指  揮:リッカルド・ムーティ
振  付:田中泯
美  術:カレル・アッペル
演  出:ピエール・オーディ

[  収録:2006年7・8月、ザルツブルク祝祭大劇場  ]

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2008/03/15

『オルフェオ』(トゥルコワン市立劇場)

Dvdorfeomalgoire DVDライブラリーより。

トゥルコワンでのマルゴワールの映像は『アグリッピーナ』に次いで2本目だが、今回の『オルフェオ』は出来としては前作に及ばない。音楽も、そしてマルゴワール自身が共同演出に携わったその舞台も、ともに微妙な停滞感が漂っている。簡素な舞台が悪いわけじゃない。結末のオルフェオがバッカスの巫女に殺されるという趣向が気にいらないわけでもない。歌手だって揃っている。いや、音楽だって、よく聴けばしっかりとしている。だが、出だしの意味のない歌い分け、そして舞台上のまったく演出が施されていない部分の多さにほとほと気が滅入ってしまうのだ。指揮者が音楽全体に責任を負うように、演出家は舞台全体に心を配って然るべき。それなのに・・・。舞台上の人間もどうしていいのか分からず、途方にくれている。

★★

オルフェオ:コビー・ファン・レンスブルク
エウリディーチェ:シリル・ジェルスタンハーバー
使者:エステル・カイク
希望:フィリップ・ジャルースキ
カロンテ:ルノー・ドレーグ
プロセルピーナ:デルフィーヌ・ジロ
プルトーネ:ベルナール・ドゥレトレ
アポロ:フィリップ・ラビエ

管弦楽・合唱:ラ・グランド・エキュリ・エ・ラ・シャンブル・デュ・ロワ
合唱指揮:エリーザベト・ガイガー、セバスティアン・デラン
指  揮:ジャン=クロード・マルゴワール
装置・照明:ジャッキー・ロテン
振  付:ロゼール・モントロ・ギュベルナ、ブリジット・セス
衣  裳:クリスティーヌ・ラボ・パンソン
メーキャップ:モード・バロン
ヘアメイク:ラシェル・ルヴィユ
演  出:ジャン=クロード・マルゴワール、ジャッキー・ロテン

[  収録:2004年10月、トゥルコワン市立劇場  ]

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2008/03/01

『イドメネオ』(ザルツブルク音楽祭)

Dvdidomeneosalzburg DVDライブラリーより。

シンプルなセットの中に光のラインを巧みに取り入れたスタイリッシュな舞台。海神ネプチューンを舞台上に登場させて緊張感を高めるなど、ヘルマン夫妻の演出の冴えが光っている。その中で、充実した歌唱の数々を繰り広げる歌手たち。コジェナー、シウリナ、ハルテロスの女声3人組は皆安定しているし、題名役のヴァルガスもそこに重しを加え、全体を引き締めている。ノリントンが付ける音楽も流れがよく、モーツァルトのオペラ・セリアに新鮮な響きをもたらしている。

★★★★

イドメネオ:ラモン・ヴァルガス
イダマンテ:マグダレーナ・コジェナー
イリア:エカテリーナ・シウリナ
エレットラ:アニヤ・ハルテロス
アルバーチェ:ジェフリー・フランシス
司祭長:ロビン・レガーテ

合  唱:ザルツブルク・バッハ合唱団
管弦楽:カメラータ・ザルツブルク
指  揮:ロジャー・ノリントン
装置・衣裳:カール・エルンスト・ヘルマン
演  出:ウルゼル・ヘルマン
      カール・エルンスト・ヘルマン
共同制作:バーデン・バーデン祝祭劇場

[  収録:2006年8月、ザルツブルク・モーツァルト劇場  ]

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2008/02/16

『ボエーム』(サンフランシスコ歌劇場)

Dvdbohemesf DVDライブラリーより。

昨年亡くなったパヴァロッティの50歳代前半のときの『ボエーム』の映像。共演者もフレーニを始めとして、キリコ、ギャウロフなど、豪華な陣容が揃っている。舞台は極々スタンダードな作りで、歌手たちもさすがに手馴れた感じがする。パヴァロッティのロドルフォは、79年のスカラ座のライヴの方が若々しさがあって私は好きだが、ここに聴く落ち着いたパヴァロッティというのも、これはこれで感慨深いものがある。

★★★☆

ミミ:ミレッラ・フレーニ
ロドルフォ:ルチアーノ・パヴァロッティ
マルチェルロ:ジーノ・キリコ
コルリーネ:ニコライ・ギャウロフ
ショナール:ステファン・ディクソン
ムゼッタ:サンドラ・パチェッティ
ベノア/アルチンドロ:イタロ・ターヨ

合  唱:サンフランシスコ歌劇場合唱団
管弦楽:サンフランシスコ歌劇場管弦楽団
指  揮:ティツィアーノ・セヴェリーニ
演  出:フランチェスカ・ザンベッロ

[  収録:1988年、サンフランシスコ歌劇場  ]

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2008/02/02

『ポントの王ミトリダーテ』(ザルツブルク音楽祭)

Dvdmitridate DVDライブラリーより。

モーツァルトが14歳の若さで初めて書き上げたオペラ・セリアが、構成に手を加えられ、ミンコフスキとクレーマーのコンビによって現代的な息吹をもって立ち現われた。開閉式のパネルで組み立てられた壁の前に狭い演技スペースがあり、上部に斜めに掲げられた鏡面で人物たちの動きを二重に増幅して見せる。鏡を使った演出は最早珍しいものではないが、ここではコンパクトな舞台をダイナミックに見せることに成功している。野戦服姿のミトリダーテ、現代服姿のアスパージアやシーファレたち。舞台は原作のラシーヌの世界からは随分と離れてしまったが、不思議と違和感がない。その中で、ザルツブルクでは馴染みになったミンコフスキが、手兵のルーヴル宮音楽隊を導いて、軽快、かつ颯爽と音楽を紡いでドラマを盛り上げていく。前年の2005年度に初演されたプロダクションということもあって、アンサンブルも練られ、完成度は高い。とりわけ、清澄な中にもしっとりとした情感を表出するシーファレ役のミア・ペションとアスパージア役のネッタ・オルの二人と、そして声を張る場面でもスタイルが崩れない題名役のリチャード・クロフトがいい。

★★★★

ミトリダーテ:リチャード・クロフト
アスパージア:ネッタ・オル
シーファレ:ミア・ペション
ファルナーチェ:ベジュン・メータ
イズメーネ:インゲラ・ボーリン
マルツィオ:コリン・リー
アルバーテ:パスカル・ベルタン

管弦楽:ルーヴル宮音楽隊
指  揮:マルク・ミンコフスキ
演  出:ギュンター・クレーマー

[  収録:2006年8月、ザルツブルク・レジデンツホーフ  ]

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2008/01/19

『タンホイザー』(東京のオペラの森)

Tokyo_opera_nomori2007 DVDライブラリーより。

1861年パリ版による小澤&カーセンのタンホイザー。というわけで、またもやカーセンの妄想演出が炸裂する。が、今回のは話の筋がわりと通っているほう。物語は吟遊詩人ならぬ、現代画家、タンホイザーのお話。ヴェーヌスのもとで快楽に耽り、裸体画ばかり描いていたタンホイザーがウォルフラムたちのところへ舞い戻ってくる。そこで開かれた新作絵画の品評会の場で、彼の秘密が明らかになる、といった按配。エリーザベトの死を経て、最後はタンホイザーの絵が大人気を博し、ボッティチェッリやティツィアーノなどの数々の裸体画の名画と並び称される、というオチがついて、幕。歌手の中では題名役のグールドと、エリーザベト役のフドレイがとくに気に入りました。グールドは恰幅もよく、若々しい覇気があり、フドレイは表現の幅もあって、ニュアンスが豊か。病み上がりの小澤の指揮は堅実で、力みがない。

★★★

ヘルマン:アンドレア・シルベストレッリ
タンホイザー:ステファン・グールド
ウォルフラム:ルーカス・ミーチェム
ワルター:ジェイ・ハンター・モリス
ビテロルフ:マーク・シュネイブル
ハインリヒ:平尾憲嗣
ラインマル:山下浩司
エリーザベト:ムラーダ・フドレイ
ヴェーヌス:ミシェル・デ・ヤング
牧童:湯浅桃子

合  唱:東京のオペラの森合唱団
合唱指揮:ペーター・ブリアン
管弦楽:東京のオペラの森管弦楽団
指  揮:小澤征爾
装  置:ポール・スタインバーグ
衣  裳:コンスタンス・ホフマン
照  明:ロバート・カーセン、ペーター・ヴァン・プラット
振  付:フィリップ・ジェラドゥ
演  出:ロバート・カーセン
共同制作:パリ国立歌劇場、バルセロナ・リセウ歌劇場

[  収録:2007年3月18日、東京文化会館大ホール  ]

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2008/01/05

『トロヴァトーレ』(ブレゲンツ音楽祭)

Dvdtrovatorebregenzer DVDライブラリーより。

地球温暖化問題などどこ吹く風のロバート・カーセン演出、炎のトロヴァトーレ。というわけで、のっけから笑えます。時は200X年、マシンガンを手にした兵士ガードマンたちが守りを固める湖上の要塞製鉄所(火力発電所?製油工場?)を舞台にした空想愉快オペラ。想像力、というよりは、忍耐力を試されているような舞台です。音楽はまともなんだけどね。富と繁栄を製鉄所と車一台で表現し、一方、それと対峙しているのが、CO2削減を目指して立ち上がった(嘘)ジプシーならぬ、マシンガンを抱えたテロリスト系ゲリラ集団。その期待を背負うのは、アウトローなダイハード男、マンリーコ。笑いに次ぐ笑いの連続で、見てて疲れました。振付もカッコ悪いことこの上なし。これ、大ケッサクだね(笑)。

★★

レオノーラ:イアノ・タマール
アズチェーナ:マリアンネ・コルネッティ
イネス:ディアンナ・ミーク
マンリーコ:カール・タナー
ルーナ伯爵:ジェリコ・ルチッチ
フェランド:ジョヴァンニ・バッティスタ・パローディ
ルイス:ホセ・ルイス・オルドネス

合  唱:モスクワ室内合唱団
      ブレゲンツ音楽祭合唱団
管弦楽:ウィーン交響楽団
指  揮:トーマス・レスナー
振  付:フィリップ・ジロドー
美  術:ポール・スタインバーグ
ドラマトゥルク:イアン・バートン
演  出:ロバート・カーセン

[  収録:2006年8月9・13日、ブレゲンツ・ボーデン湖  ]

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2007/12/15

『ローエングリン』(バーデン・バーデン祝祭劇場)

Dvdlohengrinbadenbaden DVDライブラリーより。

ケント・ナガノとレーンホフのコンビによる『ローエングリン』。バーデン・バーデン祝祭劇場、ミラノ・スカラ座、及びリヨン国立歌劇場による共同制作のプロダクションだ。今更という気がするが、全体がいっちゃった女、エルザの妄想物語として展開する。基本的にはありきたりの現代版。だが、銀色でピカピカ輝くスーツにネクタイといういでたちで、左手にしっかり剣を携えて出て来るローエングリンなんかを見てしまうと、演出そのものがいっちゃってることを痛感する。ローエングリン役で世評の高いフォークトはまるで生気も存在感もなく、さながらロボットみたい。全体が妄想、というより、全体が戯画で終わってしまっている。ケント・ナガノの付ける音楽にはためがないので、ワーグナーらしい腰が据わった厚い響きが生まれず、薄っぺらい印象が残る。

★★

ハインリヒ王:ハンス・ペーター・ケーニヒ
ローエングリン:クラウス・フロリアン・フォークト
エルザ・フォン・ブラバント:ソルヴェイグ・クリンゲルボーン
テルラムント:トム・フォックス
オルトルート:ワルトラウト・マイヤー
式部官:ロマン・トレケル

合  唱:マインツ・ヨーロッパ合唱協会
      リヨン国立歌劇場合唱団
管弦楽:ベルリン・ドイツ交響楽団
指  揮:ケント・ナガノ
美  術:シュテファン・ブラウンフェルス
演  出:ニコラウス・レーンホフ

[  収録:2006年6月3・5・7日、バーデン・バーデン祝祭劇場  ]

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2007/12/01

『ランメルモールのリュシー』(リヨン国立歌劇場)

Dvdlucielyon DVDライブラリーより。

フランス語版の『ルチア』。元々暗い話だが、よりいっそう暗い舞台で雰囲気を醸し出している。2002年当時のドゥセイといえば、手術前で、その声も若干重みを帯びてきた時期のようだが、それがちょうどリュシー役には相応しく、胸を打つ歌唱の数々を披露している。フランス語でこのオペラを聴くと流麗になり過ぎる嫌いがあるような気もするが、ピドの巧みな指揮によって、合唱ともどもドラマチックに盛り上がりを見せていて、違和感はあまり感じさせない。

★★★☆

リュシー:ナタリー・ドゥセイ
エドガール・ラヴェンスウッド:セバスティアン・ナ
アンリ・アシュトン:リュドヴィク・テジエ
アルテュール卿:マルク・ラオ
レーモン:ニコラス・カヴァリエ
ジルベール:イヴ・セーラン

合   唱:リヨン国立歌劇場合唱団
管弦楽:リヨン国立歌劇場管弦楽団
指  揮:エヴェリーノ・ピド
演   出:パトリス・コーリエ、モーシュ・レーゼル

[  収録: 2002年1月、リヨン国立歌劇場  ]

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2007/11/17

『サロメ』

Dvdsalome DVDライブラリーより。

カール・ベームがゲッツ・フリードリヒと組んで映像化した映画版『サロメ』。全編隙のない、推進力に富んだ音楽で満ち溢れている。題名役のストラータスの冷たい輝き、それを取り囲むバイラーとヴァルナイの重心の利いた凄み。ベームの描写は大胆にして緻密で、音楽の表現力の奥深さを我々にあらためて教唆している。Gerd Staubの美術、Jan Skalickyの衣裳を得て、この強烈な退廃美を描き出すフリードリヒの手腕もまた冴え渡っている。無駄のない、研ぎ澄まされた『サロメ』だと思う。

★★★★☆

ヘロデ:ハンス・バイラー
ヘロディアス:アストリッド・ヴァルナイ
サロメ:テレサ・ストラータス
ヨカナーン:ベルント・ヴァイクル
ナラボート:ウィエスワフ・オフマン
小姓:ハンナ・シュヴァルツ

管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指  揮:カール・ベーム
振  付:ロバート・コーハン
演  出:ゲッツ・フリードリヒ

[  制作:1974年3月(音声)7・8月(映像)、UNITEL  ]

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2007/11/10

『魔笛』(バイエルン州立歌劇場)

Dvdzauberflotebayerische DVDライブラリーより。

懲りずに『魔笛』。でも、前回のホックニーの能天気な舞台より、ここでのユルゲン・ローズの陰影に満ちた美しい美術の方がはるかに見易い。これは、メルヒェンとダークを融合したエファーディングの演出の戦略勝ちということだろう。相変わらず『魔笛』というオペラは私には退屈だけれど、メリハリの利いた舞台にはとても好感が持てる。グルベローヴァ、ポップ、アライサ、ブレンデル、モルなど、歌手陣も充実の内容で、貫禄ある『魔笛』になっている。

★★★☆

ザラストロ:クルト・モル
夜の女王:エディタ・グルベローヴァ
パミーナ:ルチア・ポップ
タミーノ:フランシスコ・アライサ
パパゲーノ:ヴォルフガング・ブレンデル
パパゲーナ:グットラン・ジーベル
弁者:ジャン=ヘンドリック・ローテリング
モノスタトス:ノルベルト・オルト


合  唱:バイエルン州立歌劇場合唱団
管弦楽:バイエルン州立歌劇場管弦楽団
指  揮:ヴォルフガング・サヴァリッシュ
舞台・衣裳:ユルゲン・ローズ
演  出:アウグスト・エファーディング 

[  収録:1983年9月19・20日、バイエルン州立歌劇場  ] 

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2007/11/03

『魔笛』(メトロポリタン歌劇場)

Dvdzauberflotemet DVDライブラリーより。

1991年のモーツァルト没後200年記念のメットでの公演だが、元々は1978年のグラインドボーン音楽祭のプロダクション。デイヴィッド・ホックニーが舞台デザインを手掛けている。キャストも揃っているし、舞台美術は面白いし、これで楽しめないはずはないのだが、私はやはり駄目。やっぱり、『魔笛』って、つまんねえよ!(爆)

★★★

パミーナ:キャスリーン・バトル
夜の女王:ルチアーナ・セッラ
タミーノ:フランシスコ・アライサ
パパゲーノ:マンフレート・ヘム
ザラストロ:クルト・モル
パパゲーナ:バーバラ・キルダフ
モノスタトス:ハインツ・ツェドニク
弁者:アンドレアス・シュミット
3人の侍女:ユリアーナ・ゴンデグ
      ミミ・ラーナー
      ジュディス・クリスティン
3人の奴隷:グレン・アルパート
      デニス・ウィリアムズ
      ロバート・マノ
3人の童子:テッド・ハフマン
      ベンジャミン・ショット
      パー=クリスティアン・ブレヴィグ
2人の僧:ジェイムズ・コートニー
     バーナード・フィッチ
2人の武士:マーク・ベイカー
      マイケル・デヴリン

合  唱:メトロポリタン歌劇場合唱団
合唱指揮:ジョン・キーナン
管弦楽:メトロポリタン歌劇場管弦楽団
指  揮:ジェイムズ・レヴァイン
照  明:ジル・ウェクスラー
美  術:デイヴィッド・ホックニー
映像監督:ブライアン・ラージ
原演出:ジョン・コックス
演  出:グース・モスタート

[  収録:1991年2月、メトロポリタン歌劇場  ]  

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2007/10/27

『アグリッピーナ』(トゥルコワン市立劇場)

Dvdagrippina DVDライブラリーより。

ヘンデル、若き日のイタリア時代の作品。演奏はフランス古楽界の重鎮、マルゴワール率いるラ・グランド・エキュリ・エ・ラ・シャンブル・デュ・ロワ。北フランスのトゥルコワンの市立劇場での公演だ。その清新で瑞々しい音楽の運びの中で、題名役のヴェロニク・ジャンスが一際輝いている。アグリッピーナというのは、ローマ帝国の皇帝クラウディオの后ではあるが、前の夫との息子ネローネをなんとか玉座につけるために、あの手この手で画策するいわば悪役。だが、ジャンスの歌い回し、そして演技には、そういう「いやらしさ」は思いのほか希薄だ。むしろ子を思う母親の愛情がそこから伝わってくる。フィスバックの演出はシンプルでこじんまりとしているが、これは公演会場に合わせてのものだろう。ややエキセントリックなヘアスタイルでアクセントを付けているところがミソ。

★★★☆

アグリッピーナ:ヴェロニク・ジャンス
ネローネ:フィリップ・ジャルースキ
ポッペーア:イングリッド・ペリューシュ
クラウディオ:ナイジェル・スミス
オットーネ:ティエリ・グレゴワール
パッランテ:ベルナール・ドゥレトレ
ナルチーゾ:ファブリス・ディ・ファルコ
レスボ:アラン・ビュエ

管弦楽:ラ・グランド・エキュリ・エ・ラ・シャンブル・デュ・ロワ
指  揮:ジャン=クロード・マルゴワール
装  置:エマニュエル・クロリュス
衣  裳:オルガ・カルピンスキ
照  明:ダニエル・レヴィ
メーキャップ:カトリーヌ・ニコラ
映像監督:ティツィアーノ・マンチーニ
演  出:フレデリック・フィスバック

[  収録:2003年3月、トゥルコワン市立劇場(フランス)  ]

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2007/10/13

『フィガロの結婚』(ザルツブルク音楽祭)

Dvdfigarosalzburg DVDライブラリーより。

暗くて、重くて、どんよりした『フィガロ』。その責任の大半はアーノンクールにある。ネトレプコも深く沈んだまま。アルター・エゴを使うのが大好きらしいグートの演出もここでは内向的に過ぎる。

★★

アルマヴィーヴァ伯爵:ボー・スコウフス
伯爵夫人:ドロテア・レシュマン
フィガロ:イルデブランド・ダルカンジェロ
スザンナ:アンナ・ネトレプコ
ケルビーノ:クリスティーネ・シェーファー
マルチェリーナ:マリー・マクロックリン
ドン・バジリオ:パトリック・ヘンケンス
ドン・クルチオ:オリヴァー・リンゲルハーン
バルトロ:フランツ・ヨーゼフ・ゼーリヒ
アントニオ:フロリアン・ベッシュ
バルバリーナ:エヴァ・リーバウ

合  唱:ウィーン国立歌劇場合唱団
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指  揮:ニコラウス・アーノンクール
演  出:クラウス・グート

[  収録:2006年7月、ザルツブルク・モーツァルト劇場  ]

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2007/10/06

『コジ・ファン・トゥッテ』(グラインドボーン音楽祭)

Dvdcosifantutteglyndebourne DVDライブラリーより。

昨年度のグラインドボーンのプロダクション。出演者は見事なまでに存じ上げない若手ばかりだけど、これがなかなかどうして立派な内容になっている。あのバイロイトに負けず劣らず、その豊富なリハーサル時間がものをいったということが歴然で、小奇麗に仕上がった瀟洒な舞台の中で、歌、演技ともに巧みなアンサンブルを披露している。フィッシャーの軽快な音楽、ハイトナーのセンスよく入念に組み立てられた演出も秀逸だ。

★★★☆

フィオルディリージ:ミア・ペション
ドラベルラ:アンケ・フォンドゥング
グリエルモ:ルーカ・ピサローニ
フェランド:トピ・レヘティプー
ドン・アルフォンソ:ニコラ・リヴェンク
デスピーナ:アインホア・ガルメンディア

合  唱:グラインドボーン合唱団
管弦楽:エイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団
指  揮:イヴァン・フィッシャー
美  術:ヴィッキ・モーティマー
演  出:ニコラス・ハイトナー

[  収録:2006年6月27日・7月1日、グラインドボーン音楽祭歌劇場  ]

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2007/09/22

『ジョコンダ』(ヴェローナ音楽祭)

Dvdlagioconda DVDライブラリーより。

アレーナ・ディ・ヴェローナでの『ジョコンダ』。演出は大階段でおなじみのピエール・ルイジ・ピッツィ。今回は高さはさほどないものの、巨大な舞台の横幅を有効活用した大階段が正面にドンと据え置かれ、その段の上側には船体の形を模した巨大なパネルが張られている。う~む、見事な空間造形。さすがにピッツィ、見映えがする舞台を作り出します。その中で繰り広げられるジョコンダの悲劇。押し出しの強いグルーバーのジョコンダはあまり好きになれませんでしたが、滑らかな声を響かせるベルティのエンツォには聞き惚れました。ラウラのコムローシも悪くない。音楽の流れもよく、ヴェローナ音楽祭、侮るべからず(?)、との印象を持ちました。あ~、ヴェローナ、行ってみたいぞ!

★★★

ジョコンダ:アンドレア・グルーバー
ラウラ:イルディコ・コムローシ
アルヴィーゼ・パドエーロ:カルロ・コロンバーラ
チエーカ:エリザベッタ・フィオリルロ
エンツォ・グリマルド:マルコ・ベルティ
バルナバ:アルベルト・マストロマリーノ
ズアーネ:フランチェスコ・パルミエーリ
イゼーポ:マウロ・ブッフォリ

バレエ:ヴェローナ野外劇場バレエ
振  付:ジョージ・イアンク
合  唱:ヴェローナ野外劇場合唱団
      ベンジャミン・ブリテン児童合唱団
管弦楽:ヴェローナ野外劇場管弦楽団
指  揮:ドナート・レンツェッティ
演出・美術:ピエール・ルイジ・ピッツィ

[  収録:2005年6月17日、ヴェローナ野外劇場  ]

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2007/09/15

『ボエーム』(ミラノ・スカラ座)

出張から戻りました。

というわけで、

あらためまして、

・・・・・・・・・

追悼 パヴァロッティ

Dvdbohemepavarotti DVDライブラリーより。

70年代のミラノ・スカラ座でのパヴァロッティの『ボエーム』。相手役はコトルバシュ、ムゼッタにはポップ、指揮するはクライバー、そして演出がゼッフィレッリという強烈な布陣によるプロダクションだ。映像と音声の質が劣悪なのはいかんともし難いところだが、ここに聴くパヴァロッティの伸びやかな歌唱はまさに圧倒的だ。滑らかで愉悦感溢れるロドルフォ。対するコトルバシュもミミを繊細可憐に歌い上げていて、絶妙のペアを成している。それを導くクライバーの指揮も音楽を淀みなく流し、時に明るく輝き、時に切なくむせび泣く。ゼッフィレッリの演出はいつもながらの凝りようだが、少々やり過ぎの嫌いがあると思う。スカラ座だからダイナミックにやればいいというものでもない。広々とした屋根裏部屋、二重構造のパリの街並み・・・この人は、とにかく派手でなければ気が治まらない。悪い癖だ。

★★★★

ミミ:イレアナ・コトルバシュ
ロドルフォ:ルチアーノ・パヴァロッティ
ムゼッタ:ルチア・ポップ
マルチェッロ:ロレンツォ・サッコマーニ
コリーネ:エフゲニー・ネステレンコ
ショナール:ジョルジョ・ジョルジェッティ
パルピニョール:サヴェリオ・ポルツァーノ
アルチンドロ:アルフレード・ジャコモッティ
ベノア:クラウディオ・ジョンビ
税関吏:レゴロ・ロマーニ
軍曹:カルロ・メリチアーニ

合  唱:ミラノ・スカラ座合唱団
合唱指揮:ロマーノ・ガンドルフィ
管弦楽:ミラノ・スカラ座管弦楽団
指  揮:カルロス・クライバー
衣  装:マルセル・エスコフィエ
映像監督:カルロ・バッティストーニ
演出・美術:フランコ・ゼッフィレッリ

[  収録:1979年3月30日、ミラノ・スカラ座  ]

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2007/09/06

パヴァロッティ、死去

Pavarotti お悔やみ申し上げます。

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2007/09/01

『ドン・カルロ』(ロイヤル・オペラ)

Dvddoncarlovisconti DVDライブラリーより。

ヴィスコンティのオリジナル制作(1964年)による『ドン・カルロ』。イタリア語5幕版を用いている。この映像の上演時(1985年)から数えても20年も前の舞台なのでちょっと古めかしい感じがするが、「報われぬ愛」に異常なこだわりを見せるヴィスコンティならではの美しくも引き締まった舞台だ。考えてみればこのオペラ、主役のドン・カルロ、エリザベッタ、フィリッポ、エボリ公女、といった面々は、皆それぞれに「報われぬ愛」に苦悩している。ヴィスコンティのためにあるような作品かもしれない。ただ、映像監督があの人なので「報われぬ映像」になってしまっている。ああ、無情・・・。

歌手陣は随分年齢層が高めで苦しい部分もあるが、ハイティンクの手堅いサポートもあって、結構聴きやすい。ルイス・リマの題名役が出色。

★★★☆

エリザベッタ:イレアナ・コトルバシュ
テバルド:パトリシア・パーカー
ドン・カルロ:ルイス・リマ
レルマ伯爵:ジョン・ドブソン
修道僧:マシュー・ベスト
ロドリーゴ:ジョルジョ・ザンカナーロ
フィリッポ2世:ロバート・ロイド
エボリ公女:ブルーナ・バリオーニ
天よりの声:ローラ・ビアギオーニ
宗教裁判長:ジョセフ・ルーロー


合  唱:コヴェントガーデン王立歌劇場合唱団
管弦楽:コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
指  揮:ベルナルト・ハイティンク
映像監督:ブライアン・ラージ
美術・原演出:ルキノ・ヴィスコンティ
演  出:クリストファー・レンショウ

[  収録:1985年4月、コヴェントガーデン王立歌劇場  ]

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2007/07/14

オペラティック・アワー

ミカドが永い眠りから目を覚ますと、そこは深い森の中。いきなり魔弾の射手が襲ってきたが、間一髪のところで薔薇の騎士によって救われる。平和の日は終わった。眠れる森を出る時がついに来たのだ。彼は運命の力に突き動かされ、道化師のリゴレットを従え、伝説の幽霊たちが棲むという死の家からニーベルングの指環を取り戻すために、海賊となって南太平洋へ繰り出した。途中さまよえるオランダ人に遭遇して一緒にさまよう羽目になり、あろうことかアフリカ大陸のほうへ漂着、方角も分からず困りはてていたところ、アルジェのイタリア女が連れて来たエジプトのモーゼが親切にもガイド役を買って出てくれたお陰で問題も無事解決。面白半分に立ち寄ってみたセヴィリアの理髪師のところで虎刈りにされて怒ってしまったリゴレットと喧嘩別れをしたミカドではあったが、そこで妖精のような女性、美しいエレーヌと出会い、恋に陥る。彼女は婚約手形と引き換えに、パリにしかないといわれている幻のお菓子を手に入れてくれるようミカドに言い付ける。早くその約束を果たさなければ、誰か身近なものがヴェニスに死す運命にある、と脅す清教徒たちに促されて、ミカドは一路パリを目指す。

一方、ミカドと別れ、道楽者の成り行きで身の破滅を招いたリゴレットは、放蕩息子のドン・ジョヴァンニとともに悲惨な旅を続けていた。出会う女といえば、無口な女や夢遊病の女、はたまた影のない女といった奇妙きっかいなものばかり。椿姫には相手にされず、大尉の娘にも小馬鹿にされ、結局彼らはヴェニスのゴンドラの上で白衣の貴婦人を口説いている最中、西部の娘に撃ち殺される。

他方、アルツ気味のミカドはシンデレラと一緒に仮面舞踏会に出掛けるなどしてパリの生活を呑気に楽しんでいた。ある日、エレーヌから催促の電話が入り、あわててオペラ座前まで友人フリッツと一緒に買い物に出掛けた彼は、そこで回転木馬に乗ったトロイの人々と出くわした。昔馴染みの彼らから、問題のお菓子とは実はラインの黄金という名の、いまや彼が忘れかけていた例の指環そのものであることを教えられたミカドは、それが隠されているという地下迷宮、ラ・ボエームへと急行する。そして、うるさくまとわりつくヴェルサイユの幽霊を魔笛で吹き飛ばし、そこで出会った真珠採りの娘に導かれ、無事指環を手に入れる。こうしてすべては片がついた。ミカドはエレーヌの待つ微笑みの国への帰路につくべく、絹のはしごをつたってノートル・ダムの天井まで駆け上がり、そこから勢いよくこうもりの背に飛び乗った。

所詮夏の夜の夢だった。

*頭が暴風雨突入状態ですので、来週から夏休み・特別研究レポートを掲載します。オペラ・レヴューは9月から再開予定です。

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2007/07/07

『ルクセンブルク伯爵』(メルビッシュ音楽祭)

Dvdder_graf_von_luxemburg DVDライブラリーより。

レハール作のオペレッタ。パリを舞台にした甘く切ない恋物語。メルビッシュならではの華やかな演出で魅せてくれます。貧乏伯爵のルネを演じるズットナーがいいですねえ!

★★★★

ルネ:ミヒャエル・ズットナー
バジル・バジロヴィチ侯爵:ハラルト・セラフィン
スターシャ:マリカ・リヒター
アンジェール・ディディエ:ゲザ・ホッペ
アルマン・ブリサール:マルコ・カトール
ジュリエット・ヴェルモン:アニヤ・ニナ・バールマン

バレエ:メルビッシュ音楽祭バレエ
振 付:ジョルジョ・マディア
合 唱:メルビッシュ音楽祭合唱団
管弦楽:メルビッシュ音楽祭管弦楽団
指 揮:ルドルフ・ビーブル
美術・衣裳:ロルフ・ランゲンファス
演 出:ディートマー・プフレーゲルル

[ 収録:2006年8月5日、オーストリア・ノイジードラー湖 ]

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2007/07/01

『さまよえるオランダ人』(モネ劇場)

Dvdhollandermonnaie DVDライブラリーより。

演出のギー・カシアスは本職がコンピュータ・グラフィック・アーティストだそうで、そういう人物が現実の世界で舞台を作るとこんなにヘンテコリンなものになっちゃった、という舞台。オランダ船の物語、というよりは、造船所の物語みたい。おまけに合成映像が入ったりするので、見苦しいことこの上なし。主役以外は人間性皆無のお化けの集団で、この辺はいかにもCG仕様、かもね。大野和士の音楽はきれいにまとまってはいるが、ワーグナー特有のうねりが不足している。

オランダ人:エギルス・シリンス
ゼンタ:アニヤ・カンペ
ダーラント:アルフレート・ライター
エリック:トルステン・ケルル
マリー:ジャクリーヌ・ヴァン・クァイユ
舵取り:イェルク・シュナイダー

合  唱:王立モネ劇場合唱団
管弦楽:王立モネ劇場管弦楽団
指  揮:大野和士
演  出:ギー・カシアス

[  収録:2005年12月20日、ベルギー王立モネ劇場  ]

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2007/06/16

『彼方からの愛』(フィンランド国立歌劇場)

Dvdamour_de_loin DVDライブラリーより。

フィンランドの女流作曲家カイヤ・サーリアホが、ヨーロッパとオリエントとの出会いをテーマに掲げて作曲した現代オペラ。ザルツブルク音楽祭総監督(当時)だったジェラール・モルチエからの委嘱を受け、2000年8月にピーター・セラーズの演出、ケント・ナガノの指揮により、ザルツブルクにて世界初演された。時代は12世紀。フランスのアキテーヌの王子にして吟遊詩人であるルーデルは、まだ見ぬ恋人、トリポリに住む伯爵令嬢クレメンスに会うため舟に乗って海を渡っていくが、途中重病にかかり、ようやく出会えた恋人のもとで死んでいく。

舞台上に水を張って海を表わし、左右両端には光りを発する螺旋階段を配置し、二人の距離を示す。ピーター・セラーズのシンプルな構成による舞台の中、歌手たちがずぶ濡れになって熱演する。セラーズといえば現代化。サーリアホの処女オペラ作品であるこの中世の恋愛譚も、やはり現代的な趣向が取り入れられているものの、その描き方は作品の世界にかなり忠実で、けして遊離しない。サーリアホの透明な音楽とあいまって、海に隔てられた恋人たちの心情を切々と表現していて、見事だ。

余談をひとつだけ。カーテンコールでサロネンが長靴を履いて舞台に出てきます。しょうがないとはいえ、笑った(爆)。

★★★★

クレメンス:ドーン・アップショウ
ルーデル:ジェラルド・フィンリー
巡礼者:モニカ・グループ

作  曲:カイヤ・サーリアホ
台  本:アミン・マーロフ
合  唱:フィンランド国立歌劇場合唱団
管弦楽:フィンランド国立歌劇場管弦楽団
指  揮:エサ=ペッカ・サロネン
美  術:ジョージ・ツィピン
演  出:ピーター・セラーズ

[  収録:2004年9月、ヘルシンキ  ]

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2007/06/09

『ファルスタッフ』(ザルツブルク音楽祭)

Dvdfalstaffsalzburg DVDライブラリーより。

カラヤンが遺した『ファルスタッフ』の映像。ここで既に扱った『カルメン』(1967年)や『オテロ』(1972-73年)なんかのオペラ映画と違って、舞台公演を収録したものです。演出までカラヤンが手掛けているので多くは望めませんが、美術は立派だし、内容も淡白ながらも的を得た構成を見せていて、感心させられます。歌手陣にはなるほど豪華な面々が並んでいるので、実に楽しく、味わいがある舞台となっています。タッディのファルスタッフのお腹にもうちょっと豪快さ(?)がほしい気がしますが(笑)、ツェドニクのバルドルフォに妙に存在感があったり、ルートヴィヒのクイックリー夫人がどうにも人懐っこかったりするのも、らしくて面白いです。アンサンブルで楽しめる、優れた公演だと思います。

★★★☆

ファルスタッフ:ジュゼッペ・タッディ
フォード:ローランド・パネライ
フェントン:フランシスコ・アライサ
カイウス:ピエロ・デ・パルマ
バルドルフォ:ハインツ・ツェドニク
ピストラ:フェデリコ・ダヴィア
アリーチェ:ライナ・カバイヴァンスカ
ナンネッタ:ジャネット・ペリー
クイックリー夫人:クリスタ・ルートヴィヒ
メグ:トゥルデリーゼ・シュミット

合  唱:ウィーン国立歌劇場合唱団員
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー
指揮・演出:ヘルベルト・フォン・カラヤン
美  術:ギュンター・シュナイダー=ジームセン
衣  裳:ジョルジュ・ヴァケヴィッチ

[  収録:1982年、ザルツブルク音楽祭  ]

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