« ガナーズ、余裕の勝利 | トップページ | 「死者のためのミサ」他 »

2007/11/17

『サロメ』

Dvdsalome DVDライブラリーより。

カール・ベームがゲッツ・フリードリヒと組んで映像化した映画版『サロメ』。全編隙のない、推進力に富んだ音楽で満ち溢れている。題名役のストラータスの冷たい輝き、それを取り囲むバイラーとヴァルナイの重心の利いた凄み。ベームの描写は大胆にして緻密で、音楽の表現力の奥深さを我々にあらためて教唆している。Gerd Staubの美術、Jan Skalickyの衣裳を得て、この強烈な退廃美を描き出すフリードリヒの手腕もまた冴え渡っている。無駄のない、研ぎ澄まされた『サロメ』だと思う。

★★★★☆

ヘロデ:ハンス・バイラー
ヘロディアス:アストリッド・ヴァルナイ
サロメ:テレサ・ストラータス
ヨカナーン:ベルント・ヴァイクル
ナラボート:ウィエスワフ・オフマン
小姓:ハンナ・シュヴァルツ

管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指  揮:カール・ベーム
振  付:ロバート・コーハン
演  出:ゲッツ・フリードリヒ

[  制作:1974年3月(音声)7・8月(映像)、UNITEL  ]

|

« ガナーズ、余裕の勝利 | トップページ | 「死者のためのミサ」他 »

コメント

サロメの映像として、やっぱりはずせないと思います。来日中のドレスデンの演目に入ってますが、普通の演出ではなさそう・・

ずっと以前の記事、TBします。

投稿: edc | 2007/11/17 13:29


edcさん、TBありがとうございます。
やはり、ベームは凄いですね。
『エレクトラ』も見なくては!

投稿: Orfeo | 2007/11/17 16:18

 1974年!…これってそんな昔のソースだったんですねえ…知らなかった(笑)。キャストが面白い。
 だから、ハンス・バイラーなんて往年のヘルデンテノールの爺さんや、アストリッド・ヴァルナイ…は1980年代初めくらいまではミュンヒェンの《神々の黄昏》でノルンの一人に出てましたが…の二人の旧世代の歌手と、未だほぼ無名だったんじゃないかと思われるテレサ・ストラータスやハンナ・シュヴァルツなんかが共存してる…なんか面白いですねえ。
 ストラータスは当時パリの例のストレーレル版《フィガロの結婚》によくスザンナを歌いに来てました。でも、誰も知らなくて、シェロー=ブーレーズ版《ルル》で一躍有名になるまでは、皆、あれ誰だ?…なんて言ってたなあ(笑)。ハンナ・シュヴァルツを有名にしたのはバイロイトのシェロー=ブーレーズ版《指輪》でしたが、この時点では彼女、未だハンブルク州立歌劇場専属の劇団員だったんじゃない?…。ベルント・ヴァイクルも、バイロイトなんかで大活躍するようになったのは、もう数年後でしょう。ウィエスワフ・オフマンというのは、当時パリなんかでは重宝されていた歌手で、あれは…確か、ルッジェロ・ライモンディが出た、あのシリーズだったと思うんですが…《シチリアの晩鐘》で、突然主役のテノールが病気になっちゃって、でもこのオペラの主役をぶっつけ本番でできるテノールなんて誰もいないのよ。控えのテノールを用意してなかったみたいで、あわや公演キャンセル…という段になって、何処かから飛行機で慌てて飛んで来たんでしょう、ぎりちょんに駆けつけて来て、そのまま舞台に上がって一公演を救っちゃった。以来パリではかなり重宝されるようになった人なんです。随分器用な人みたいで、以後カラヤンなんかからも重宝されてますね。
 そうそう、この頃 UNITELは、ただ単なる舞台中継ではなくって、ちゃんと映像作品として撮ったオペラの映像をさかんに制作してましたよね。ああいうのがダニエル・トスカン・デュ・プランチエのプロデュースする一連の本格的なオペラ映画に継承されていったのだと思いますが、こういう試みはもっとやられるべきだよね。舞台上演のテレビ中継なら安上がりでいいけど、そりゃヴィデオより実演の方がいいに決まってる。特に、演出家が優れた人だと、制作劇場のホールの特性を十分考慮に入れる…というか、演出それ自体に組み込んだものを作るんで、余計映像に還元するのが難しいんだよね。だから、こういう試みはもっとやって欲しいんだけど…ねえ。
きのけん 

投稿: きのけん | 2007/11/30 09:33


きのけんさん、どうもです。

うん、このベーム版、というか、UNITEL版サロメは強烈ですねえ。これを超える舞台というのは、なかなか難しいのではないでしょうか。

リンク、修正しておきます。

投稿: Orfeo | 2007/11/30 13:51

 …これが1974年、つまりゲッツ・フリードリヒが西側にデビューしたての頃だよね。どうも、僕はこの人、西側で演出を濫作するようになってからテンションが落ちたように…どうしても思えるんだけど…。この頃パリに呼ばれなかったのが残念!…。うん、今思い出してみても、最初見たバイロイトの《タンホイザー》なんか、その後見たものに較べ、随分気合いが入ってたみたい…。だんだんマンネリになっちゃって…、初めてパリに呼ばれた《イェヌファ》の時なんか、新制作だというのに、ご本人なんか来もしないんだよねえ…。
きのけん

投稿: きのけん | 2007/12/04 16:38


・・・う~む、西側に来て、しっかりポストを握ってしまった後は、さすがにご隠居仕事になってしまったということですかね。安定しちゃうと、ロクなことがないみたいですね。

ただ、この『サロメ』は、ベームの強烈な音楽に対抗する出色の出来だと思いますが、やはり、こういう舞台を一度作っちゃうと、続かないかなあ・・・

投稿: Orfeo | 2007/12/04 19:27

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/122009/17089796

この記事へのトラックバック一覧です: 『サロメ』:

» R.シュトラウス「サロメ」1976年 映画版 [雑記帳]
はじめて観たオペラ「サロメ」このヘロデ王夫妻、特に王妃の自己中心振りがおもしろいです。宮崎駿の最新作「ハウルの動く城」に登場する荒れ地の魔女みたい。アストリッド・ヴァルナイは、同じフリードリヒ演出、ベーム指揮の映画版「エレクトラ」でもなんとも猛烈な母王妃を演じていますが、同一人物のようです。そういえば、ヘロデ王とエギストも、同じハンス・バイラーでした。 サロメはほんとに美少女ですが、あのダンスのあたりからのアップは、かなりグロテスク・・ 妖怪が正体を現わしたみたい・・・それにしても、せっかく... [続きを読む]

受信: 2007/11/17 13:22

« ガナーズ、余裕の勝利 | トップページ | 「死者のためのミサ」他 »