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2007/10/27

『アグリッピーナ』(トゥルコワン市立劇場)

Dvdagrippina DVDライブラリーより。

ヘンデル、若き日のイタリア時代の作品。演奏はフランス古楽界の重鎮、マルゴワール率いるラ・グランド・エキュリ・エ・ラ・シャンブル・デュ・ロワ。北フランスのトゥルコワンの市立劇場での公演だ。その清新で瑞々しい音楽の運びの中で、題名役のヴェロニク・ジャンスが一際輝いている。アグリッピーナというのは、ローマ帝国の皇帝クラウディオの后ではあるが、前の夫との息子ネローネをなんとか玉座につけるために、あの手この手で画策するいわば悪役。だが、ジャンスの歌い回し、そして演技には、そういう「いやらしさ」は思いのほか希薄だ。むしろ子を思う母親の愛情がそこから伝わってくる。フィスバックの演出はシンプルでこじんまりとしているが、これは公演会場に合わせてのものだろう。ややエキセントリックなヘアスタイルでアクセントを付けているところがミソ。

★★★☆

アグリッピーナ:ヴェロニク・ジャンス
ネローネ:フィリップ・ジャルースキ
ポッペーア:イングリッド・ペリューシュ
クラウディオ:ナイジェル・スミス
オットーネ:ティエリ・グレゴワール
パッランテ:ベルナール・ドゥレトレ
ナルチーゾ:ファブリス・ディ・ファルコ
レスボ:アラン・ビュエ

管弦楽:ラ・グランド・エキュリ・エ・ラ・シャンブル・デュ・ロワ
指  揮:ジャン=クロード・マルゴワール
装  置:エマニュエル・クロリュス
衣  裳:オルガ・カルピンスキ
照  明:ダニエル・レヴィ
メーキャップ:カトリーヌ・ニコラ
映像監督:ティツィアーノ・マンチーニ
演  出:フレデリック・フィスバック

[  収録:2003年3月、トゥルコワン市立劇場(フランス)  ]

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コメント

おなじみの登場人物に引かれて、録画、ヴェロニク・ジャンスが新国立劇場のコジ・ファン・トゥッテ新演出時のフィオルリディージだったこともあって、さっさと観ました。けっこう楽しめました。皇帝がイメージずれ、ポッペアがなんだかやぼったかったような・・ ネロはちょっと行かれた感じのマザコン振りがおもしろかったと思います。

投稿: edc | 2007/10/27 12:36


edcさん、どうもです。

ジャルースキのネローネはおもしろいですね^_^;;
ジャンスは貫禄、といった感じでしょうか。

投稿: Orfeo | 2007/10/27 17:41

おっ、マルゴワールだ.....
きのけんさんが、出て来そうですけど....

>ラ・グランド・エキュリ・エ・ラ・シャンブル・デュ・ロワ
日本語に訳すとなんちゅうんでしょう、とお伺いする前に検索したら、きのけんさんのサイトがヒットしました。「王の野外音楽隊と室内楽団」

HMVでは、「王室大厩舎・王宮付楽団」
厩舎って、馬小屋ですよね。

「王の野外音楽隊と室内楽団」も「王室大厩舎・王宮付楽団」も、なんか変な名前ですね。

投稿: keyaki | 2007/10/29 22:51


keyakiさん、どうもです。
古楽系の団体の名前は独特ですよね。
日本語名も、だから、かなり遊ばれてる(笑)。

投稿: Orfeo | 2007/10/30 10:56

>keyakiさん:

 ヘンなものがヒットしますねえ(笑)。
 「ルーヴル宮音楽隊」という訳語はなにせ元が相当レトロな名称だから、フザけてそう訳したら、なにせ武満徹の『今日の音楽』誌だなんてマジメな雑誌に載っちゃったもんだから、レコード会社の人が公式訳語だと思ってそれに決定しちゃった(爆)。いつぞや、Orfeoさんに、こんなフザけた訳語を付けたのは誰ぞや!…なんて怒られちゃいまして…あれは僕だ…とも言い出せず…だね(笑)。
 「王の野外音楽隊と室内楽団」というのは僕の訳語ではなく、礒山雅さんが名付けたものを踏襲してます。どういう意味かというと、「王」("Roy")は現代の仏語 "roi"の旧式の表記です。「エキュリー」("ecurie")というのは厩舎…つまり馬小屋のこと、つまり、ルイ王朝時代に,狩りの時とかに「厩舎」で演奏する野外の楽隊だよね。ヘンデルの《水上の音楽》なんかで船の上に乗るのもこの楽団で…だから「(大)野外楽団」。
 「シャンブル」("chambre")とは宮殿内の部屋のこと。この室内で演奏するための楽隊です。だから、全部併せて「王の野外音楽隊と室内楽団」というわけだ。もっと現代風に訳すと、「王立野外&室内楽団」かな?…。
 もう一つ…といったって、どうせ楽員は同じ連中だったんでしょうが、「シャペル」("chapelle")というのが礼拝堂とか教会で演奏する楽隊ね。そいつがドイツの宮廷に輸出されて「カペッレ」("Kapelle")と独語化されるというわけ。現代にも継承されてて、ドレスデン州立管が "Staatskapelle Dresden"というわけよ。笑っちゃうのは、西独では"Staatskapelle"なんて「封建的」な名称を残さなかったのに反し、共産主義の東独で、「礼拝堂楽団」=宮廷楽団だの「宮廷歌手」("Kammersaenger/in")なんていう称号を残していたことですね。
 「なんか変な名前ですね」…なんて言ってると、キョーヨーな〜ぃ、なんて笑われちゃいますよ(笑)。
きのけん

投稿: きのけん | 2007/10/31 17:13

ヴェロニク・ジャンス、偉い!

 実は、このヴェロニク・ジャンス、マルゴワールが発掘した人なんです。1980年代末か90年代初めに、当時ウィリアム・クリスティーのレ・ザール・フロリサンの合唱隊の中で歌っていた彼女を一躍モーツァルトのオペラの主役(《ティート》だったか《イドメネオ》だったか?…)に抜擢しちゃったのがマルゴワールで、僕はその場にいましたが、彼女がソリストとしてデビューしたのが、まさにこのトゥルコワンの市立劇場だったんです。トゥルコワンというのはリール市郊外の工業都市で、ベルギーとの国境。電車で一駅行くと、イープルというネコ祭りで有名なフランドルの町なんです。ほんと、あんな辺鄙な田舎にポツンと市立劇場があって、マルゴワールがそこを本拠にしていたんです。合唱団員なんかをモーツァルトのオペラの主役なんかに使うのはパリみたいな大都市じゃあ難しいでしょうが、トゥルコワンみたいな田舎なら問題なくて、彼女はこういうところで実力を付けた後に、大きな舞台へ出て行ったんですね。クリスティーなんか、自分のお膝元の合唱隊の中にこんなのがいても、全然気が付きもしなかったんだから(笑)…。そうそう、当時、オードレー・ミカエルというのも主役をやってまして、あまりいいんで、ちょっとビックリして、何処で見つけてきたんだ?…なんてマルゴワールに訊いたら、その翌年だかにカラヤンに抜擢されてるんだよねえ…ということは1989年以前だね…。そうそう、マルゴワールって人は歌手で意外な人を発掘してくるんで目が離せなかったですよ。
 でも、ジャンスさん、偉いねえ…自分が独唱者としてデビューした、あんな田舎の小さな劇場に未だ出るんだよねえ…。
きのけん

投稿: きのけん | 2007/10/31 17:44


きのけんさん:
>…あれは僕だ…とも言い出せず…

嘘言っちゃいけません。あっさり自供したじゃないですか。それで面食らって、「こりゃヤバイこと言ってもうた!」とこちとら焦りまくりだったんだから!(笑)

ヴェロニク・ジャンスといえば、いうまでもなく、ミンコフスキがエクスで『フィガロ』をやったときの伯爵夫人ですが、あれは最高でした。あの舞台はジャンスのためにあるような舞台。ミンコはもちろん、演出のサー・リチャードや照明のジャン・カルマンまで、みんなしてジャンスを引き立てた。彼女、神々しかったなあ!

投稿: Orfeo | 2007/11/01 08:30

きのけんさん、興味深いお話ありがとうございます。
シュターツカペッレってよく聞きますが、そういう由来なんですか。

オーケストラの名称って、日本語に訳そうとするとややこしいですね。
たとえば、Academy of St.Martin-in-the-Fieldsというマリナーが創設した管弦楽団は、「アカデミー管弦楽団」という呼称が定着しているということも最近知りました。そんなことも知らなかったの、って言われちゃいそうですけど、レコード芸術とかを愛読してないとこういうのってわかんないじゃないですかね.....

>「宮廷歌手」("Kammersaenger/in")
って、ミュンヘンとかウィーンでもあるようです。時々、○○がその称号を授与されたなんて話題が出たり、ライモンディも、多分ミュンヘンとウィーンではもらってるんじゃなかったかしら.....

>ヴェロニク・ジャンス
へぇ、合唱団あがりなんですか。めずらしいですね。私も、新国のコジ・ファン・トゥッテで見ました。フランス通の方たちが、騒いでましたね。

投稿: keyaki | 2007/11/01 08:51

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