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2007/08/18

『ルートヴィヒ 神々の黄昏』

夏休み・特別研究レポートNo.3

Dvdludwig_2 ▼ルキノ・ヴィスコンティ《ルートヴィヒ 神々の黄昏》
(伊、西独、仏、1972)
Luchino VISCONTI, LUDWIG

ヘルムート・バーガー(ルートヴィヒ)   
ロミー・シュナイダー(エリザベート)   
トレヴァー・ハワード(ワーグナー)   
シルヴァーナ・マンガーノ(コジマ)
アドリアーナ・アスティ
ソニア・ペトローヴァ
ジョン・モルダー=ブラウン
マルク・ポレル
ゲルト・フレーベ

監督:ルキノ・ヴィスコンティ   
製作総指揮:ロバート・ゴードン・エドワーズ   
脚本:ルキノ・ヴィスコンティ   
        エンリコ・メディオーリ   
        スーゾ・チェッキ・ダミーコ   
撮影:アルマンド・ナンヌッツィ   
音楽:フランコ・マンニーノ   

19歳の若さでバイエルン国王の地位に就いたルートヴィヒの半生を描いた大作。豪華絢爛な演出には唖然とするしかない。主役のヘルムート・バーガーの一世一代の演技も見ものだけど、この映画の眼目は私はエリザベートだと思う。ロミー・シュナイダー、最高!それにしても、ヴィスコンティというのは、報われぬ愛というのが大好きだよねえ(笑)。

ルートヴィヒが報われなかったもう一人の対象、それがワーグナー。映画で見る限り、酷い人間ですね、この大作曲家殿は。ヴィスコンティ、ワーグナー作品の演出をしないはずだ(笑)。

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コメント

出会ったのは、レンタルビデオ三昧してたころ。ずっと後で完全版とかを映画館で見ましたけど、短い版のほうが好きです。

>ロミー・シュナイダー、最高!
ですね^^!

>ワーグナー。映画で見る限り、酷い人間ですね
これも、ですね^^l コジマも・・

あれほど図々しくやれるって凄い・・・

投稿: edc | 2007/08/18 09:07

続きです。

>酷い人間
と、映画で使われていた曲との関連性については全然気にならなかったようで、ワーグナーのオペラを聴いてみようと思ったきっかけのひとつとなった映画でした。

その辺のことの関連記事をTBしますので、よろしくお願いします。

投稿: edc | 2007/08/18 09:13

edcさん:
>短い版のほうが好きです。

 そうなんだよね。僕も完全版がロードショウなった時、当時パリ第3大学の演劇学科のゼミに出ていたベルナール・ドルト教授と連れ立って出掛けたんですが、二人共以前のヴァージョンを知っていたこともあり、あまりの長さにちょっとウンザリしちゃいまして、終わってから、顔を見合わせて「壮大なる失敗作だねえ!」…なんて(笑)。

>酷い人間

…実際は、もっと酷い人間だったんじゃない?…。現実にああいうのが身近にいたら、とても付き合い切れたもんじゃないと思うよ。ルートヴィヒの場合だって、相手が潜在ホモで、自分に惚れてるのがわかりきってるし、自分の方はその気が全然ないもんで、もう徹底的に「処女王」を虐め抜いて、利用し尽くすでしょう。だからルートヴィヒさんと同じ傾向のあるヴィスコンティがワーグナーに好意を抱くわけないよね…。なるほど、ヴィスコンティはワーグナーのオペラを一本も演出してないよね。
 ニーチェなんかも、ワーグナーに、オマエはオナニーばっかりこいてるからダメなんだ!、なんて面と向かって言われちゃって、もう一生分傷ついちゃってるでしょ。なにしろ性格悪いんだ!(笑)。
 《パルジファル》の世界初演をやったヘルマン・レヴィなんかもそれに当てられたクチで、指揮者がユダヤ人だからよくないなんて公言されて、さんざん虐めるもんで、あまりのことにリストが、オマエが自分で振ったら、もっとヒドいことになるぞ、なんてクサしてるでしょ。ヴィスコンティはまだお手柔らかなんで、いづれにせよ、ああいうアーティストは現代じゃ、生きていけないよね。
きのけん

PS;
それはそうと、Orfeoさんが見たのは何語版だ?…。あれって、伊語版、仏語版、英語版(多分独語版も)と3っつくらいオリジナル版があるでしょ。ヨーロッパでは、この手の映画はオリジナルの時点で三か国語くらいでネガを作るから全部オリジナル版なんだけれど、こないだテレビでやってる《ヴェニスに死す》を見たら、なんと英語版をやってるんだよね。ちょっと呆れた(笑)。そりゃ、あれだってオリジナルには違いないんだけど、選りに選って英語版でやることないじゃん!…。

投稿: CineKen2=きのけん | 2007/08/18 11:47

(続き)
 …そうそう、こないだ見たミケランジェロ・アントニオーニの《太陽はひとりぼっち》もそうだった。仏語版を放送してるんだよね。僕がパリのシネマテークで見たヤツはちゃんと伊語版だったですよ。あれも、仏語版と伊語版と二種類オリジナルがあるらしいんだけれど、そういう点って、日本じゃ意外と知られていないんだよね。
 まあ、例外もありまして,ジャン・ルノワールの《黄金の馬車》なんかはイギリス映画なんで、英語版がルノワール自身がチェックしたオリジナル版、仏語版は吹き替えなの。一昨年パリのシネマテークではこの2つの両方を上映したんだけれど、ルノワール的な軽快なリズム感が出てるのが、逆説的にも英語版(すなわちオリジナル版)で、仏語版の方はやたらリズムが重ったるいのね。
 いづれにせよ、1960年近辺辺りからのヨーロッパ映画の大作というのは、必ずオリジナルの時点で三か国語くらいのヴァージョンがあるんだ。いちおう全部オリジナルなんだけど、日本の輸入業者はその辺りにも関心払って欲しいよね。
きのけん=CineKen2

投稿: CineKen2=きのけん | 2007/08/18 12:14


>edcさん

TBありがとうございます。
ロミー・シュナイダー、いいですよね。
あの色香には、ウットリです^_^;;
コジマ!!最悪・・・(笑)。

>きのけんさん

私が今回見たのは伊語・完全版ですね。
完全版って、それにしても疲れますね(笑)。

投稿: Orfeo | 2007/08/18 12:44

(もう一つ続きと訂正)

 上の「ハンス・リヒター」は勿論 ハンス・フォン・ビューローの誤り。

 それから、ロミー・シュナイダーなんだけどねえ…。僕の遠い記憶では、あの人、あの役にはかなり歳をとり過ぎていたように憶えているんですが…、彼女あの当時35くらいでしょ。モデルのエリーザベトは17歳かそこらだよね。まあ、ヴィスコンティの意図としては、ワーグナーとバランスとらせるために、年齢的に相当年上の彼女を起用したんだろうけど…。これは、Orfeoさんよりむしろ、女性の目で見る…という意味で edcさんのご意見を聞きたし。

>完全版って、それにしても疲れますね(笑)。

(爆)そうなんだよねえ。ホント疲れた、という記憶。映画館で見るともっと疲れるぜ。ね、edcさん!僕が完全版の方を見たのはパリ7区の Pagodeという映画館でした。
CineKen2=きのけん

投稿: CineKen2=きのけん | 2007/08/18 13:03


・・・おおっ!La Pagode!素敵な映画館ですよね、あそこは。かって、パスカルに連れられて、あそこでベルトルッチ監督の映画を見ましたよ。懐かしいなあ!

投稿: Orfeo | 2007/08/18 15:50

>ロミー・シュナイダー
登場人物の年齢とか、全然知りませんから疑問にも思いませんでした。17歳ですか。とてもそうは見えません。ルートヴィヒよりはるかに大人だと思いました。

>映画館で見るともっと疲れる
確かに疲れるというか、うんざり・・; で、とりあえず手に入れた完全版のLD、一度も見なかった・・ 最近のテレビ放送はどっちでしたか。

投稿: edc | 2007/08/19 06:51


・・・最近の放送は完全版でした。以前、岩波ホールで見たのは古いヴァージョンでしたけど、あっちの方がいいですね。

ロミー・シュナイダーに関しては、私も疑問に思わず見たクチですね。実年齢って、さほど重要とも思えないんですが・・・。それを言い出したら、《ロミオとジュリエット》のジュリエットって、何歳だか知ってる?・・・という古典的命題があるんですけど、ご存知?(笑)

投稿: Orfeo | 2007/08/19 13:30

Orfeoさん:
>古典的命題

!!(爆)これは、Orfeoさんのオペラ惚け。そんなものが「古典的命題」になるのはオペラ部門だけです。
 …それじゃ、逆の例を出しますけど、和泉雅子が日活に入社したのが中学二年生。松尾昭典《七人の挑戦者》(1961)で二谷英明(31歳)の恋人役を演った時、彼女、なんと13歳。彼女、銀座五丁目の料理屋の娘で、生粋の江戸っ子のベランメエ調のやたらおマセな少女だったらしい(笑)…。その翌々年が浦山桐郎の《不良少女》(1963)だよね。松原智恵子は… Orfeoさんにとって大学の先輩に当たりますが…古川卓巳《明日に向って突っ走れ》(1961)に主演した時16歳の高校生。「古典的命題」もへったくれもあるもんか!(笑)。
 そこまで議論のレヴェルを落としちゃ困るのよ!…こういうとこはきちんと見てあげなくてはいけない。ロミー・シュナイダーがヴィスコンティからこの役を勧められた時、彼女ビックリ仰天しちゃったらしいんですが…、そりゃそうなんで、当時彼女は33歳。最早役が要求する十代の少女ではなかったわけよ。
 ヴィスコンティは、多分、かなり明確な意図をもって彼女を起用したと思います。「私も疑問に思わず見たクチ」では不足なんだよ!…ここは疑問を持って、違和感を抱いて当然なの。ここでの、ヘルムート・ベルガー、ロミー・シュナイダー、トレヴァー・ハワードのトリオはかなり絶妙のチームを構成したと思います。実際の年齢にいちばん近くて、容貌もいちばん似てるのがトレヴァー・ハワードで、為政者、国王になり切れない未熟なルートヴィヒ=ベルガーに対し、エリーザベト=ロミーとワーグナー=ハワードが双方からバランスをとる形にならないとまずいわけよ。十代の小娘じゃ、海千山千のワーグナーとの間にバランスがとれない…。だから、ヴィスコンティは彼女の年齢を実際よりうんと上げてワーグナー=ハワードに対峙させてるわけよ。そこまで見てあげなくてはいけない…んだけれど、実際には

edcさん:
>疑問にも思いませんでした

…となっちゃう。だから僕は、このフィルムにどこか失敗作のニオイを嗅ぎとっちゃうんですけど、本当はどっかで違和感抱かせたいのよ。当時のロミー・シュナイダーといえば、あくまで十代のアイドル時代の《プリンセス・シシー》(1955:相手役がなんと、息子カール(=ハインツ)・ベーム!)で、そりゃ、あれよりはもっともっと生々しいけど、基本的には「シシー」なんだよね。その辺りのロミー・シュナイダーの既成イメージをいまいち異化し損なった、つまりその既成イメージと戯れつつ別のものに転換できなかった…という印象を当時持ったんだけれど、今見直してみたらどう見えるかな?…。そうそう、ヴィスコンティはこれの前にオムニバス映画《ボッカチオ'70》(デ・シーカ、フェリーニ。ヴィスコンティ:1962)の第三話で実年齢の彼女を撮ってるよね。
 ああなるほど!、あいつ、これを見てるね。ソフィア・コッポラの《マリ・アントワネット》(2006)。こっちでは、未熟なのはお姫さまだから、ロミー・シュナイダー型の熟女でなく、永遠のロリ公型キルステン・ダンストさんがお姫様。
CineKen2=きのけん

投稿: CineKen2=きのけん | 2007/08/20 05:40

>エリーザベトは17歳かそこら
いくらなんでも17歳は・・というわけで、ちょっと調べてみました。エリーザベトとルートヴィヒ、8歳の年齢差。ルートヴィヒ即位の19歳のとき、エリーザベトは27歳。ロミー・シュナイダーの実年齢33歳で、年取り過ぎって。「プリンセス・シシー」のイメージが壊れるから嫌だというのならわかりますけど・・;;

投稿: edc | 2007/08/20 07:42


・・・なんだ、10代じゃないじゃん。

投稿: Orfeo | 2007/08/20 08:54

 う〜ん、そうじゃないのよ!…。純然たる虚構であるフィルム内部のエリーザベトと、それに素材を提供した歴史上の人物としてのエリーザベトの実際の年齢の落差…という話では、必ずしもないのよ。そうじゃなくて、ロミー・シュナイダーという女優さんが、当時未だになお引きずっていた16歳の「プリンセス・シシー」のイメージ(「シシー」とは、まさにここでのエリーザベトその人だからタチが悪いんで(笑)、皇帝フランツ・ヨーゼフ一世と結婚して皇后になったのが、彼女16歳の時)とこのフィルム内に彼女が造形する虚構のエリーザベトの落差…が問題だというわけだ。そこを手がかり、引っ掛かり…としてヴィスコンティ的主題が開示されていく、あるいはいかない…ということがここで問題となっている点なんで、登場人物の実際の年齢というのはほんとうはどうでもいいんだ。あの「シシー」の時ロミー・シュナイダーはまさに実際彼女と同じ年齢の人物を演じていたわけで、そこで出来たイメージの方が歴史上の人物の実際に年齢よりも重要というわけ。だから、

>「プリンセス・シシー」のイメージが壊れるから嫌だ

 …なんていう日本の芸能界的発想、テレビ的な発想とは次元が違うのよ。そうじゃあなくって、ロミー・シュナイダーという女優さんに当時未だに付着している16歳の「プリンセス・シシー」のイメージを利用しつつ、それが「嫌だ」ろうがなんだろうが、そいつを異化しつつ、その差異からフィルムの主題を浮き上がらせようとしてる…。そいつが、本当に上手くいってたかなあ?…という話なんです。こっちが問題としてる点は…。
CineKen2=きのけん

投稿: CineKen2=きのけん | 2007/08/22 11:01


・・・そういう難しい話にされても、なかなかピンときませんが、「プリンセス・シシー」のイメージにとらわれすぎちゃいません?それとも、私が鈍感なのか?(笑)

投稿: Orfeo | 2007/08/22 18:36

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» ワーグナー作曲 オペラ「トリスタンとイゾルデ」 [雑記帳]
トリスタンとイゾルデの物語は、ヨーロッパでは広く流布されている伝説のひとつらしいです。ドニゼッティの喜劇オペラ「愛の妙薬」は、トリスタンとイゾルデが飲み、破滅的な恋に陥った「媚薬」がモチーフになっています。現実にそんな激しい恋におちる男女がどれほどいるのか、そんな経験ゼロの私には想像もできませんが、そういう物語にはひきつけられます。 ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」に興味をもったきっかけは、ヴィスコンティ監督の映画「ルートヴィヒ」でした。レンタル・ビデオ三昧していたころに出会いました。すっ... [続きを読む]

受信: 2007/08/18 09:13

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