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2007/07/14

オペラティック・アワー

ミカドが永い眠りから目を覚ますと、そこは深い森の中。いきなり魔弾の射手が襲ってきたが、間一髪のところで薔薇の騎士によって救われる。平和の日は終わった。眠れる森を出る時がついに来たのだ。彼は運命の力に突き動かされ、道化師のリゴレットを従え、伝説の幽霊たちが棲むという死の家からニーベルングの指環を取り戻すために、海賊となって南太平洋へ繰り出した。途中さまよえるオランダ人に遭遇して一緒にさまよう羽目になり、あろうことかアフリカ大陸のほうへ漂着、方角も分からず困りはてていたところ、アルジェのイタリア女が連れて来たエジプトのモーゼが親切にもガイド役を買って出てくれたお陰で問題も無事解決。面白半分に立ち寄ってみたセヴィリアの理髪師のところで虎刈りにされて怒ってしまったリゴレットと喧嘩別れをしたミカドではあったが、そこで妖精のような女性、美しいエレーヌと出会い、恋に陥る。彼女は婚約手形と引き換えに、パリにしかないといわれている幻のお菓子を手に入れてくれるようミカドに言い付ける。早くその約束を果たさなければ、誰か身近なものがヴェニスに死す運命にある、と脅す清教徒たちに促されて、ミカドは一路パリを目指す。

一方、ミカドと別れ、道楽者の成り行きで身の破滅を招いたリゴレットは、放蕩息子のドン・ジョヴァンニとともに悲惨な旅を続けていた。出会う女といえば、無口な女や夢遊病の女、はたまた影のない女といった奇妙きっかいなものばかり。椿姫には相手にされず、大尉の娘にも小馬鹿にされ、結局彼らはヴェニスのゴンドラの上で白衣の貴婦人を口説いている最中、西部の娘に撃ち殺される。

他方、アルツ気味のミカドはシンデレラと一緒に仮面舞踏会に出掛けるなどしてパリの生活を呑気に楽しんでいた。ある日、エレーヌから催促の電話が入り、あわててオペラ座前まで友人フリッツと一緒に買い物に出掛けた彼は、そこで回転木馬に乗ったトロイの人々と出くわした。昔馴染みの彼らから、問題のお菓子とは実はラインの黄金という名の、いまや彼が忘れかけていた例の指環そのものであることを教えられたミカドは、それが隠されているという地下迷宮、ラ・ボエームへと急行する。そして、うるさくまとわりつくヴェルサイユの幽霊を魔笛で吹き飛ばし、そこで出会った真珠採りの娘に導かれ、無事指環を手に入れる。こうしてすべては片がついた。ミカドはエレーヌの待つ微笑みの国への帰路につくべく、絹のはしごをつたってノートル・ダムの天井まで駆け上がり、そこから勢いよくこうもりの背に飛び乗った。

所詮夏の夜の夢だった。

*頭が暴風雨突入状態ですので、来週から夏休み・特別研究レポートを掲載します。オペラ・レヴューは9月から再開予定です。

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コメント

40ぐらい入ってますか^^?!
もう夏休み・・・良いお休みを!

投稿: edc | 2007/07/15 07:13


edcさん、どうもです。

台風が通り過ぎて、梅雨明けも近いようですので、ブログのほうは夏休みモードに切り替えます。どうぞよろしくお願いします。

投稿: Orfeo | 2007/07/15 10:06

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