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2007/04/29

シューマン/チェロ協奏曲イ短調

Cdrostropovichberstein 追悼 ロストロポーヴィチ

巨星がまたひとつ、堕ちた。ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ。スケールの大きな音楽家だった。チェリストとしても、そして指揮者としても。

彼がチェリストとして全盛期にあった1970年代半ば、パリの地で今は亡きバーンスタインとともに録音したシューマンのチェロ協奏曲イ短調のディスクが手元にある。熱い演奏だ。芳醇なロマン主義の世界に没入する二人のマエストロ。小手先の技巧で表面を飾るのではなく、シューマンの晩年の傑作の、その「ハート」に迫る名演。渾身、入魂の音楽がそこにある。悠々と流れるシューマン。素晴らしい。かくも美しいディスクを残してくれたことに、我々はただただ感謝するしかない。安らかに眠られよ。

チェロ:ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
指 揮:レナード・バーンスタイン
フランス国立管弦楽団

ブロッホ/「シェロモ」-チェロと管弦楽のためのヘブライ狂詩曲
シューマン/チェロ協奏曲イ短調 作品129

[  録音:1976年11月、パリ  ]

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コメント

 …うん、これは、確か実演を聴いたよね。バーンスタインがフランス国立管の第一招待指揮者だった最後のシーズン。ロリン・マゼールにバトンタッチしたシーズンだったと思います。実は…、シューマンのチェロ協奏曲というのが、あまり馴染みのないものだったせいか?…、あんましよく憶えてない(笑)。

 ただ、この人はオペラ指揮者として卓抜だったから、そっちの方の記事も欲しいなあ…。丁度この時期、同じフランス国立管の演奏会形式で、奥さんのガリナ・ヴィシネフスカヤを主役に《トスカ》と《スペードの女王》をやってますが、かなり良かったよ。ロンドン・フィルと録れた《ムツェンスク郡のマクベス夫人》をパリ国立歌劇場管のチョン・ミュンフンの録音と較べてご覧。もう段チ、あれは見事だよ!…。

 実は、ロストロポーヴィチとは一度だけですが会って話したことがあります。あれは、確か、ロストロポーヴィチ指揮バイエルン放送響がディジョンの音楽祭に客演してまさにその《ムツェンスク郡のマクベス夫人》を演奏会形式でやった時だったはづですが、何時かちゃんとしたインタビューをやらしてくれって申し込んで、OKを取ったんですが、その時色々と訊きたい内容を話して、ちょっと仲良くなっちゃったんですが、結局そのインタビューは実現しなかったんです。というのも、ロストロポーヴィチというのは亡命中パリに住んでたこともあり、フランス語はちゃんと出来るんだけれど、インタビューその他公式の場では絶対にロシア語以外喋らないの。通訳を付けるんじゃ面白くないな…なんて気遅れしているうちに時機を逸しちゃった。ロストロポーヴィチが現代音楽の作曲家たちに発注した作品や作曲家について喋ってくれ…という注文を仕掛けたんですが、そういうことをインタビューされる機会ってあまりないみたいで、彼氏、乗っちゃって。その場で延々と、なんでストラヴィンスキーが彼のためにチェロ協奏曲を書いてくれなかったのか…なんて話を始めちゃって、あまりに機関銃みたいに喋るもんで、途中からロシア語になっちゃって、おいオマエ通訳やれ!なんて、通訳をやってくれていた友人のロシア人ジャーナリトの通訳が追いつかなくなっちゃったんだ(笑)。

>渾身、入魂の音楽

…あの人は、人柄からしてそういう感じね。一度、同じくフランス国立管でロリン・マゼールとアンリ・デュティユーの協奏曲をやった時、演奏後客席に来ていたデュティユーを舞台に招くんだけれど、先生恥ずかしがって来ないのよ。そうすると、ロストロポーヴィチが突然、サル・プレイエルの舞台から客席に飛び降りて、ダダダーっとデュティユーの席まで走っていって、彼の手を取って、舞台まで連れてきちゃった(1)。

(1):この話は僕のロリン・マゼールのインタビューにも出てきます(リンク↓)。ちなみに、このインタビューでは Orfeoさんから託された質問を一つマゼールにぶつけてるんですが、Orfeoさんん、憶えてる?…。

>http://members2.jcom.home.ne.jp/kinoken2/intv/intv_contents/intv_maazel.html


 その後も指揮は何度か聴く機会があったですが、彼のチェロを最後に聴いたのは、バレンボイム音楽監督下のパリ管の最後のコンサートの一つに飛び入りでやって来てR・シュトラウスの《ドン・キホーテ》を弾いた時でしたね。突然飛び入りで来ちゃったんだ。離任一週間前くらいの公演で、この時は客席がすごかった。ショルティがいて、シェローがいて、ブーレーズがいて、チェリビダッケまでいて、ジュリーニがメッセージを送ってきたり…。そうそう、彼にはお友達のためならとことん尽くしちゃうというところがあったですな。
きのけん

投稿: きのけん | 2007/04/29 07:31


きのけんさん、どうもです。

現在、既に出したものは別として、ロストロポーヴィチが指揮したオペラ映像というものが手元にないので、これで我慢して下さい。

マゼールへの質問、覚えてますともさ!指揮者、兼作曲家としての根幹に関わる重大な質問でしたね(爆)。

指揮者、兼チェリストのロストロポーヴィチへのインタヴューが実現せずに、残念でしたね。実現していれば、相当面白い話が聞けただろうに。。。

投稿: Orfeo | 2007/04/29 08:47

ロストロさんといえば、私には、あの映画「ボリス・ゴドノフ」のお茶目な理由の訴訟です。
いつのまにかモスクワに帰っていたんですね。国籍を剥奪されたり,波乱の人生でしたが、故国で最後を迎えることができて、よかったですね。

なんと「ロストロポーヴィチ 人生の祭典」という映画が公開中なんですね。
http://www.sokurov.jp/

TBさせていただきました。
ロストロさんとライモンディの録音の時のビデオクリップをアップしていますが、二人がしゃべっているのはフランス語ですよね。

投稿: keyaki | 2007/04/29 21:24

Keyakiさん:

>二人がしゃべっているのはフランス語ですよね。

 あっチクショーめ!…あいつ、僕には、インタビューOK。ただしロシア語のみ…とちゃんとクギを刺したぜ(笑)。その時即席通訳をやってくれたロシア人ジャーナリストが通訳をやってくれると言ってくれたんですが、ただ…この男のフランス語ってのがねえ(笑)…。とてもロストロの早口についていけない程度のものだったんで…。
 …そうか!ロストロがオペラを振った映像ってのは、あまり残ってないんだ。それは残念!…僕は、この人、オペラ指揮者としては相当のものだと思ったけどね。
 でも、あの人、すごい熱血漢なんだけれど、あるところまではかなり知的で、きっかり弾くんだけれど、その第一線を超えちゃうと手がつけられないほど興奮することがあるよね。

>Orfeoさん:

 あのマーラーについての質問は、かなりいい質問だったんだよ。ウィーンにおける外国人+ユダヤ人+作曲家+指揮者…というところで、グッと詰まって、次の質問に答えている間も、それを考えていたみたい…。
きのけん

投稿: きのけん | 2007/04/30 05:33


>keyakiさん
TBありがとうございました。
TB返しさせていただきました^_^;;

その映画、見なくっちゃ!
でも、上映は東京だけ?
DVDが出るかしらん?

>きのけんさん
オペラ映像、いっぱいありそうなもんですけどね。
どうも、見当たらないようです。
残念。。。

マゼールへの質問は、ちょっぴり意地悪な面もありましたが、わりと核心を突いていたのかもね?「よ~し、オレも!」ってなったのかな?(笑)

投稿: Orfeo | 2007/04/30 06:58

ロストロさんのフランス語ってどうなんですか?
あのビデオクリップだと、お互いに理解できているのかよくわかりませんが。英語よりできるんで、ライモンディがフランス語でしゃべっているのかな、とおもったんですけど。
フランス語がわかる人が聞くとどうなのかわかりませんが、なんか禅問答のようじゃないですか?

このクリップ、QuickTimeで見られるんですけど、マックユーザーは、OSに入っていますが、ウィンドウズの方も無料でダウンロードできますので、ぜひどうぞ。

投稿: keyaki | 2007/04/30 11:06


・・・う~ん、ビデオクリップ見ましたけど、ロストロさんが話している部分はほんの僅かしかないので、これで判断しろと言われても・・・(苦笑)。きのけんさんや助六さんなら判断できる?

それにしても、ライモンディの話し声というのは、軽く話しているようでも、渋味があって、よく通ること!さすがは歌手さんだな、と、感心しました^_^;;

投稿: Orfeo | 2007/04/30 13:42

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 チェリストで指揮者のムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(Mstislav Leopoldovich Rostropovich )氏が、4月27日に亡くなられました。肝臓癌だったそうです。享年80歳でした。 3月27日の80歳の誕生日には、ロシアの最高勲章が授与され、プーチン大統領主催により、誕生日を祝うガラ・コンサートが催され、病気療養中のロストロポーヴィッチ氏も出席しましたが、体調はよくないようだと報じられていました。そして、数日前に、手術のため再入院 (モスクワの病院)したということでしたが... [続きを読む]

受信: 2007/04/29 21:06

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