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2007/04/01

『クレールの膝』

Dvdclaire ▼エリック・ロメール《クレールの膝》
(フランス、1970)
Eric ROHMER, LE GENOU DE CLAIRE

ロメール三発目。こらまたしゃべくりまくる映画です。《冬物語》《春物語》と見てくると、もう諦めもつきますが、さすがにツライぞ!激しい睡魔に襲われる映画です(とくに前半!w)。

かってCineKen2さんはFORUMで「映画は行動(アクション)だ!」なんておっしゃっていましたが、彼がこよなく愛好するロメールに関して言うならば、ちっとも「行動」せんのだよ(笑)。それでも「映画は行動だ!」なんて言うんですかね?(笑)ちなみに、それとはまったく対照的に、かって、とある大変行動的な企画屋さんは、「ディスクール(対話行為)こそが劇(ドラマ)を生み出す」なる名言を吐かれましたが(・・・Orfeoさんといいますw。こっちを参照)、まさにロメールはディスクールがドラマを生むんだよね。うんうん、そうなんだよ。私の方が的を得てるじゃないか?(笑)

さて、この《クレールの膝》は、結婚を間近に控えたむっつりスケベの中年インテリ男と、その旧友である女流小説家とが風光明媚なアルプス地方の田舎町で久しぶりに再会することから話が進んでいきますが(絵が綺麗!こんなところでヴァカンスが過ごせたら最高ですね。尚、例によって、この映画のストーリー等の解説はCineKen2-FORUMのアーカイヴにおまかせします。こちらです)、たしかに美少女クレールの膝にうっとりとして、しまいには撫で回すロリコン話ではありますけど、そっちの方はむしろ見せ掛けで、言ってみればインテリ同士の高次元の恋愛物語なんだよね。肉体関係なんかなくても(べたべたさわりまくるけどさw)、俺たちゃ十分通じ合えるんだぜ、というわけ。まあ、はっきり言って付いていくのは大変ですけど、言いたいことはよく分かる。というわけで、インテリの皆さん、是非この映画を見て、大いに納得しましょう!(爆)フランス語のいい勉強にもなります。エロティックなロメールというのもまた、乙ですなあ!(爆×2)

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コメント

  …うん、Orfeoさんにロメールは無理だ…諦めなさい(爆)。
 またまた例によって、随分頓珍漢なことをお書きになってますが、一言。CineKen2の言う映画における「アクション」の典型例がホワード・ホウクス《脱出》(>042-1044:米、1944)のコメント冒頭の引用箇所に出てきますので、そっちをご参照(リンク↓)

http://members2.jcom.home.ne.jp/kinoken2/cineken2/cineken2_cont/cineken2_archive/forum0605.html#1042

 …これこそ、CineKen2の言う「アクション」(…は=行動ではなく、行動はその一部に過ぎません)がまさにこれで、小津安二郎《早春》で池辺良を料理屋に連れ込んだ岸恵子が煙草の火を点けるため、お女中さんにマッチを放ってもらう。「あっ、それ投げて! 」、一瞬そのマッチが飛んで画面を横切る。これぞ「アクション」なんだから…ねえ(笑)。…というのは「アクション」を(人間の)「行動」としかとろうとしない人間中心主義者 Orfeoさんの錯覚としか言いようがないわけよ。
 第二の点は「お喋り」と「アクション」をあくまで対立項、二律背反としてしか捉え得ないという謬見。言葉にだって「アクション」があるのをご存知ないわけではありますまい。単純な例で言うと、「…しなさい」と言う時、この言葉は、意味を伝えたり、表現する機能より、相手に行動を促す機能を帯びているというわけ、こういうのを言語学では "performatif"と呼びます。…と見てくると、《クレールの膝》において言葉が担っている機能というものが知れてくるというわけだ。それは Orfeoさんがさもしたり顔で「ディスクールがドラマを生む」なんてのたまわっておられる凡くらなものではなく、「ディスクール」そのものが「アクション」でもある世界なんだよね。
 でも、Orfeoさんは本当に鈍感だなあ…と思うのは、《春物語》の音楽性同様、このフィルムが「インテリ」とは正反対のエロティスム、それもきわめてロメール的なエロティスムに満ち溢れたフィルムである点を不問に付しているところなんだよね。Orfeoさんにとって、映画をご「鑑賞」なさることは、文化教養の一部なんで、そう見る以外ありようがないんだろうけど、本当はこれは「インテリ」どころか、官能的きわまりないフィルムなわけ。ロメール映画の魅力はその一点に尽きると言っても、あまり言い過ぎにはならない。Orfeoさんお得意の一般論、一見「インテリ」っぽい抽象論、常識論は避けて具体的に行きましょう。
 このビデオの表紙に使われているサクランボ穫りの場面ね。仏国立シネマテークでロメールの全作品回顧上映が組まれた時、まさにこのスチールがポスターに使われているのを見て、おお、さすが!と感激しちゃったもんなんですが、まさにここがもうやったらエロティック。やだ、そのエロティスムのあり方こそ、まさにロメール的なものそのものなんだ。テニス着のミニ・スカートを履いたクレールが梯子に乗ってサクランボを穫っている。そこへジェロームがやって来て、手伝おうか?…などと言って、下からクレールのスカートの中を覗く。この箇所のキャメラ・ワーク(というよりキャメラを通じ誘導される観客の視線だよね)のデリケートなこと!このキャメラは。もう見ていて震えが来るくらいエロティックなんだ。まづ見せない!。キャメラはクレールのスカートの中を覗いたりは決してしない。否、ジェロームが中を覗いているのかどうかも本当は定かでないキャメラ・ワーク。さらにエロティックなことに、その光景を脇で眺めているローラの視線。この視線の交錯のエロス。決してそのものズバリを見せないで、観客の想像力を喚起する形のエロティスムなんだよね。
 こういうところを見ようとしないで、アルプスの風景かなんかをご「鑑賞」していらっしゃる御仁の極楽トンボぶり!…そう、ロメールという人はエロティスムの何たるかを熟知している人なんだ。エロティスムというのは、そのものズバリを見せるのがエロティックなのでは決してなくて、それが惹起する想像力の世界なんだよね。それはフロイトの言う「リビド」という概念と寸分の違いもなく一致する。だから、彼はここでパンチラなんて下卑た真似はしないいし、その必要もない。
 …だからこそ、ジェロームとローラの間には何も起こらない。そして小説家オロールの言う通り、まさに実際のドラマなんぞ起こらない方が面白いし、ジェロームのクレールに対する妄想〜そう、妄想です〜は、彼女の膝に固定化し、それ以上発展する気づかいはないというわけだ。そして…だからこそ、翻ってここで問われているのは見る者の想像力の質…というわけだ。…その結果、このフィルムを心情下劣な奴(爆)が見ると、それこそ「むっつりスケベの中年インテリ男」とか「ロリコン話」…とかの、その下劣さに見合った想像力しか産み出さない…というわけだ。ロメール映画が怖いのはそこよ。彼のフィルムを語る人たちは知らず知らず、ご自分の想像力の質そのものをさらけ出してしまう。
 ロメールを語ることの難しさはまさにそこにあるんだ。あの人の映画は。あんなにお喋りなくせして、いわく言葉で言い表せないものに満ち満ちている。そして、それを語らずして彼の映画を語ったことにならないから怖い。彼の親友ゴダールはそれを、かなりの部分まで意識的に、そして知的(「インテリ」風に)やるわけ。だから、あるところまでは知的に理解できる。だから Orfeoさんの考えは寧ろゴダールにこそ当てはまる。ところが、ロメールの場合は。そういうのを、もう体質的、生理的に持っているんだよね。そこが彼の面白い点、一筋縄でいかない点なんだ。だからこそ、この人の映画を語るに「ディスクールがドラマを生む」なんてのたまうのは愚の骨頂なんで〜おまけにドラマなんて生まないんだから余計!…だよね(笑)〜。やっぱり、さすが淀川長治大先生は、そういうところがよ〜く判っていらっしゃる。だから、大先生はそのような「インテリ」じみたことは決しておっしゃらず、こうなるわけよ→「もうフランス語のきれえなこと。音感のきれえなこと、きれえなこと。見事な映画。」…とこれ以外、言いようないじゃん!
CineKen2=きのけん


PS:掲示板 CineKen2の常連読者(ROM専門)からの私信メールより。
>あの二人、いい気になって罵詈雑言し合って楽しんでやがるな!
>おおい、もっとやれ!(笑)

…というわけで、もっとエスカレートさせた方が面白いというリクエストだぜ。どうする、Orfeoさん?(爆)

投稿: CineKen2=きのけん | 2007/04/01 12:05


・・・教会のお客様であるフランス人神父のアテンドから帰ってきたと思ったら、この始末。なんて穢れた人間なんだ、あなたは!尼寺へ行け!(きっと興奮するからさw)

あのね、ディスクールがアクションを含むことなんざ、きのけんさんと違って日本人である私には自明の理なんですよ。「言霊信仰」って、知ってる?

あと、言語学のご教授なんて、まったくもって不要です。こちとら、仏文学の言語学の権威であらせられる(名誉)教授の、学部ではなくて、大学院のゼミに参加していた人間なので、そんな話、片腹痛いです。ソシュールがどうたらこうたらと、耳にタコができたぐらい(笑)。

あとは劇的想像力をそういうエロティックな方面でたくましく働かせるきのけんさんと、敬虔なカトリックである私とでは、ここで話が噛み合うわけがないから、あきらめましょう。こないだ神父さんを相手に30分も懺悔してきたというのに、今度は3時間ぐらい私に懺悔させるおつもりか!(爆)神父さんが可哀想だから、やめましょう。そんな方面で想像力が枯渇していても、いいの!

ロメール特集は、いいかげんやめた方が無難かな?もう一本借りてきちゃったんだけど、これ、どうしよう?(笑)

投稿: Orfeo | 2007/04/01 17:59

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