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2006/12/01

『リリー・マルレーン』

Dvdlili_marleen ▼ライナー・W・ファスビンダー《リリー・マルレーン》
(西独、1981)
Rainer Werner FASSBINDER, LILI MARLEEN

ニュー・ジャーマン・シネマの旗手、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督が、37歳でこの世を去るその前年に発表した作品。「リリー・マルレーン」は第2次大戦下、ドイツ軍、連合軍の双方の兵士たちから愛唱された名曲ですが(・・・私はまだ生まれていませんでしたが)、マレーネ・ディートリッヒが米軍兵士の慰安の場で披露し、戦後も好んで歌ったことでも有名になりました(・・・私はまだ生まれていませんでしたが)。このファスビンダーの映画は、その歌の本家、ララ・アンデルセンの自伝をもとに、戦時下に生きる女性の心の葛藤、愛とその挫折を描いています。

ファスビンダーの映画はめまぐるしく疾走します。まるでこちらがその中に没入するのを拒むかのように。次々と場面が入れ代り、音楽も変転し、画面もしばしばズームアップでアクセントが入ったりする。だから、現実感は希薄です。戦争映画でありながら、けして生々しくはない。ストーリーは思いのほか単純だけれども、冷めた視線で貫かれた、彼独特の美学/語り口による映像の奔流に我々は晒され続けることになります。たしかにファスビンダーは疾走する。でも、それ故に、ファスビンダーは捉えどころがない。まるで「夢」のような映画です。主演のハンナ・シグラの物憂い歌唱がまた魅力的で、この映画に華を添えています。

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コメント

>ハンナ・シグラの物憂い歌唱がまた魅力的
ですねぇ^^;

投稿: edc | 2006/12/01 09:28


>edcさん
です^_^;;

投稿: Orfeo | 2006/12/01 12:17

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