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2006/09/22

『オリバー・ツイスト』

Dvdoliver_twist ▼ロマン・ポランスキー《オリバー・ツイスト》
(仏・英・チェコ、2005年)
Roman POLANSKI , OLIVER TWIST

*以下の文章にはネタバレを含みます。これからこの映画をご覧になる予定の人はお読みにならないほうがよろしいかと。また、「ポランスキー大好き!」っていう人は絶対に読んじゃダメ!

養育院で育った孤児、オリバー・ツイストは、9歳になり自分の生まれた救貧院へ戻り、麻屑作りの労働に従事することになる。だが、孤児たちに与えられる食事はとても少なく、くじ引きで負けたオリバーは夕食の席でおかわりを求めたため、追放処分を受けてしまう。引き取り先は葬儀屋のサワベリー氏のところ。彼は美しく哀しげな表情をしたオリバーが、子どもの葬儀のお供の役目に適任だと考える。だが、それがもう一人の徒弟ノアの敵意を買い、亡くなった母親のことを侮辱されたオリバーは思わずノアに殴りかかる。サワベリー氏に鞭打たれてしまったオリバーは家出を決意し、歩いてロンドンへと向う。
7日間歩き通し、ようやくロンドンの街に着いたオリバーだが、空腹で立ち上がる気力もなく、道端にうずくまっていると、シルクハットをかぶった妙な身なりの少年、ドジャーが声を掛けてくる。そして彼から市場で掠め取ったパンを与えられ、裏通りの家へと連れて行かれる。そこの主の老人フェイギンに夕食に招かれ、オリバーのロンドン生活が始まる。
ドジャーたちは毎日ハンカチや財布を外で手に入れてくる。その仕組みは理解できなかったが、オリバーはフェイギンにポケットからハンカチや時計を抜き取る「ゲーム」を教え込まれる。そしてその腕も上達し、初めてドジャーたちと外出したオリバーは、彼らが紳士のポケットからハンカチを抜き取るのを見て、その「仕事」を理解した。だが、逃げる途中捕まってしまったオリバーは、法廷へと突き出される。そこで恐怖で青ざめたオリバーは気を失うが、目撃者の証言で彼の容疑は晴れる。
ハンカチをすられた紳士、ブラウンロー氏は親切にもオリバーを自宅に連れ帰り、手厚く面倒を見る。その頃フェイギンと悪党仲間のビルは、警察に捕まったオリバーが密告するのを恐れ、ビルの情婦ナンシーにオリバーの行方を探らせていた・・・。

前作の《戦場のピアニスト》(2002年)で米アカデミー賞最優秀監督賞なんかを取って、すっかり日本でも「巨匠」扱いされているポランスキーの作品ですが、この人って、本当に巨匠なんでしょうかね?私自身は《戦場のピアニスト》も見ましたけど、ユダヤ系の人々の迫害を題材とした、この手の戦争映画って、それこそゴマンとあるでしょ?そんな中にあって、また今、なぜこういう映画を世に出すのか、そこのところが私にはどうしても見えてきませんでした。で、次回作を待つことにしようと思っていたわけですが、出て来たのが文豪チャールズ・ディケンズの名作小説の映画化作品。やっぱりこの人って、志が低くない?

その映画の内容ですが、とにかく暗くて滅入ります。・・・って、ストーリーの話じゃなくて(たしかに暗い話だけど)、画面が。最初の方でロンドンへ向う途中の田園風景が入る場面ぐらいかな、明るくなるのは。あとはエンディングの夜明けのシーン。まあ、イギリスだし、ロンドンだし、暗いのは仕方ないかな、とは思いますが(石が飛んできそうだなw)、こんだけ薄暗いシーンばかり続くと、見てて疲れます。話の最初の方から会話の中にやたら「絞首刑」という言葉を差し挿むので、最後の方で絶対誰かが首を括られるな、ということが見え見えなんですが、実際大詰めで、処刑ではないものの、そのとおりのことが起こるんで、尚げっそり。子供をネタにした、幼稚な演出の映画としか思えません。だいたい、その主役の子供、オリバー少年自体がちゃんと描かれていないよね。まるで添えもの扱い。これならまだハリポタの方がよっぽどマシ(笑)。

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コメント

絶対見たくない類のお話なので、見ていません。見なくて正解という感じ・・

《戦場のピアニスト》はなりゆきで見てしまいました(テレビ)がなんだかね・・の後味の悪さでした。やっぱり見なけりゃよかった・・・

楽しい「ファルスタッフ」の映像、TBしましたので、よろしく....m(_ _)m

投稿: edc | 2006/09/22 08:56


edcさん、こんにちは。正解です^_^;;
楽しい「ファルスタッフ」、TB返しさせていただきました....m(_ _)m

投稿: Orfeo | 2006/09/22 12:07

子供が主役の映画、けっこう好きで見てますけど、これは、まだ見てません。
オリバー・ツイストって、日本で言えば、「次郎物語」とか、「路傍の石」のように、名子役のためにあるような映画ですよね。最後もハッピー・エンドだし、違った??
最近では、ロード・オブ・ザ・リングのイライジャ・ウッドが、スリ仲間で出演しているのとか、私が最初に見たのは、マーク・レスターのだったとおもいます。
全然暗くない、子供向けだったとおもいますけど、原作に忠実じゃないってことなのかしら。

投稿: keyaki | 2006/09/23 09:04

え~!! 借りて見てようと思ってたのに(笑)
ポランスキーは出世作の?「ローズマリの赤ちゃん」という映画とあともう一本、ジョニーデップを主演にした摩訶不思議系映画の「9th Gate」という映画をみたことがあります。なんか不思議な雰囲気の映画だなあという印象でした。巨匠という言葉はちょいと抵抗ありますけどね。

投稿: 宵の明星 | 2006/09/23 10:30

掲示板「CineKen2-FORUM」より;
No. 1126:
 うーん、僕もポランスキーってのは全然ダメなんだなあ…。でも、彼が無名時代ポーランドで撮った《水の中のナイフ》(1961)が忘れられないのだ(笑)。
 ところが…ですな、詳しく調べてみると…あのフィルムにシナリオを提供して協力してるのが…イェルジー・スコリモフスキーなんだよねえ…。ということは…だなあ…、
CineKen2

No. 1133:
  Orfeoさんのコメントを読んでて、ちょいと愕然としたんですけど、『オリバー・ツイスト』の話って、もう完全にペドファイルの話じゃないっすかあ!!…。そうそう、英国人のエロティスムってのはフランス人みたいに直裁的じゃなくて、ねちねち屈折してるから、あのディッケンスみたいな表現になるんだよねえ…。英国人ってのは意外とお人好しじゃないんで、そういうのって、もう本能的に解っちゃうんだよねえ…。
 欧州ではホモはもう全然タブーじゃなくって、アン・リーの《ブロークバック・マウンテン》(>700 :米、2005)なんてのは、何を今さら!なんてなっちゃうんですけど、ペドファイルの方はもう完全なタブー、橋口亮輔の《二十歳の微熱》(1992)なんか一発で発禁になるでしょうけど、もちろんロマン・ポランスキーには、そんなタブーと四つに組むほどの度胸は…全然なしなんだよね。
CineKen2

 日本の映画ファンとか評論家ってのが、これまたえらいお人好しなんで、時々笑っちゃうことありますよ。
CineKen2

投稿: CineKen2 | 2006/09/23 11:54

 …そうか!、日本じゃあ「ピアニスト」って言えば、ポランスキーの《…ピアニスト》で、ミヒャエル・ハーネケの《ピアニスト》じゃないんだ!…。こっちじゃ、もちろんハーネケですよ〜お。

>http://perso.orange.fr/kinoken2/cineken2/cineken2_cont/cineken2_archive/forum0601.html#634

投稿: CineKen2 | 2006/09/23 12:04


>keyakiさん
どうもです。
なんか、この映画、前半はまだいいんですが、中盤以降、子供の存在感がまったくなくなります。そっちにはポランスキーの興味はないようです^_^;;

>宵の明星さん
そういう映画を撮っているんですね、ポランスキーは。やっぱり、ホラー系に近いんでしょうか、彼の資質は?

>CineKen2さん
《水の中のナイフ》、今度探して見てみようかな。あるかな?
ハーネケの《ピアニスト》って、例のあれでしょ?好きなんですねえ、そっちの人たちは(笑)。

投稿: Orfeo | 2006/09/23 12:57

ポランスキーは、「吸血鬼」と、「マクベス」を昔見ましたけど、マクベスは、最後の首がコロコロだけよく覚えてます。このオリバー・ツイストもコロコロですか。
ポランスキーって私の中では、ホラー系です、奥さん惨殺されたし。

でも、ハリソン・フォードの「フランティック」もこの人だったんですね。普通のサスペンスですけど。

私はピアニストというと「海の上の....」を思い出します。
戦場の...は実話ですよね。こんなに運のいい人もいるんだ、と思いました。

投稿: keyaki | 2006/09/23 13:37

 ポランスキーは、僕は、最初の頃のだけで、もういい…って感じなんだよねえ。もう1本、カトリーヌ・ドゥブーヴ様の《反撥》…の2本だけで、その後の全ては出尽くしちゃってるって感じだよ。
 そう、「ホラー系」!。でも、最初の頃は鋭利な刃物みたいにシャープだったけどね。クロネンバーグみたいに仰々しくなかったし…。
CineKen2

PS:
 あっ、それから Yankoさんにちゃんと《アルセスト》が届いたみたいだけど、おまけDVDのorfeo.blogへのレヴューはなし…だって。忙しいらしい…。それとも、さすが orfeo.blogへ投稿するのはビビるのかねえ?…そんな気にするこたあないのにねえ(笑)…。
きのけん

投稿: CineKen2 | 2006/09/23 18:46


>keyakiさん
へえ~、首コロコロですか。そういうのは、なかったかなあ、こっちの映画では。首吊り場面が出るくらい?でも、そういや《戦場の・・・》でも、無残な銃殺シーンだとかありましたよね。まあ、あれは事実に基づいているんだろうから、しょうがない?

P.S. 「ストレーレル・オペラ演出総覧」の方にkeyakiさん宛ての質問が入っています。よろしく!

>CineKen2さん
ちなみに、Yankoさんへ贈ったおまけDVDって、なに?気になる・・・

投稿: Orfeo | 2006/09/23 19:44

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