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2006/07/24

『カルメン』

Imgorfeoblog Dvdcarmensaura_1 orfeo.blog=CineKen2
共同企画:
「《カルメン》幻想:その3」

▼カルロス・サウラ《カルメン》(スペイン、1983)
Carlos SAURA, CARMEN

フラメンコ舞踊団の主宰者アントニオ(アントニオ・ガデス)は舞踊劇『カルメン』の上演準備を進めていたが、肝心のカルメン役が決まらない。そんなある日、アントニオは友人のクリスティーナ(クリスティーナ・オヨス)が指導している舞踊学校で見掛けた娘、カルメン(ラウラ・デル・ソル)が気に入り、彼女を主役に抜擢することに。ドン・ホセ役として彼女とともに厳しい稽古を進めるうちに、アントニオは次第に彼女に惹かれていく。その気持ちを察したカルメンはある夜アントニオの許を訪ね、ついに二人は結ばれる。だが、彼女には実は刑務所に入っているヤクザの夫がいた。後日、刑期を終えて出所してきた夫を彼女はアントニオに紹介する。嫉妬心に苛まれるアントニオ。稽古には闘牛士が登場してくる。やがて彼女が他のダンサーと浮気をしているところまで目撃してしまったアントニオは、とうとうカルメンに激しく詰め寄るが、彼女に斥けられ、ついには舞台の『カルメン』さながらに彼女をナイフで刺し殺してしまう。

スペインの巨匠、カルロス・サウラ監督、世界的なフラメンコ・ダンサーで振付師のアントニオ・ガデス、有名な女性フラメンコ・ダンサー、クリスティーナ・オヨス、そしてフラメンコ・ギターの第一人者、パコ・デ・ルシア、などなど、スペインを代表する才人が結集して作り上げた作品。1983年度のカンヌ国際映画祭でフランス映画高等技術委員会賞、並びに最優秀芸術貢献賞を受賞している。

カルメン役はエキゾチックな雰囲気を持つが今ひとつ華がなく、現実と虚構とが重なり合って渾然一体となっていく構成自体にもやや単調な嫌いがある。だが、最後にその現実さえもが実は大きな虚構だったことを明かして終わるところにサウラ監督のセンスを感じる。映画というよりは、舞台を見ているような臨場感があり、そのリズミカルかつシャープな舞踊の数々にはただただ圧倒されるしかない。スペイン万歳!フラメンコ万歳!そういう映画。

Orfeo

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コメント

 えっ、またまた《カルメン》!…続きますねえ。でも、映画化されたカルメンっていっぱいあるぜえ。
 ゴダールの《カルメン》(1983)は全然関係ないけど、音楽はベートーヴェンの弦楽四重奏。
 無声映画時代ならセシル・B・デミル(1915)とラウール・ウォルシュ (1915 & 1927)。エルンスト・ルービチのやつ (1918)は多分ネガがもう残ってない(実はこれがいちばん見たいんだけど)。ジャック・フェデール (1925)。
 トーキーになって、クリスチャン=ジャック (1942)、チャールズ・ヴィーダー (1948) 、オットー・プレミンジャー《カルメン・ジョーンズ》(1954:これがいちばん有名かな?…)。ピーター・ブルックの《カルメンの悲劇》(1982:これは orfeo.blog向きだよね!)それから、keyakiさんのところに出てくるフランチェスコ・ロージ (1984)とこれ…。ジャン=ピエール・リモザン (2005)。
 そうだ!木下恵介《カルメン故郷に帰る》&《カルメン純愛す》(…だったけ?:1951 &52)ってのもあるぜ。前者は日本初の「総天然色」映画。高峰秀子のカルメン(笑)。
…もっとありそうだね。
CineKen2

投稿: CineKen2 | 2006/07/24 21:37


うお~、さすがにいっぱいありますねえ!こりゃ、このシリーズ、まだまだ止めるわけにはいきませんね(笑)。ピーター・ブルックは是非扱いたいところだけど、映像が・・・これ、出てます?

投稿: Orfeo | 2006/07/24 22:48


>CineKen2さん
CineKen2さんが挙げておられるチャールズ・ヴィーダー監督の《カルメン》(1948年、カルメン役はリタ・ヘイワース)ですが、その映画でサイレント期から含めて15作目の「カルメン」に当たるんですって。おいや~、とてもじゃないけど、見切れねえ!(笑)

投稿: Orfeo | 2006/07/25 20:12

 ああ、忘れてた!…鈴木清順《河内カルメン》(1966)。
 今 IMDbで調べたらうじゃうじゃあるよ。あっ、それからピーター・ブルックの《カルメンの悲劇 (La Tragedie de Carmen)》は主役の女優さん3人で3本同じ映画を撮ってるぜ。
CineKen2

投稿: CineKen2 | 2006/07/26 00:22


ふ~ん、セゾン劇場での公演は見てますが、そのフィルムの方はお目に掛かったことがないなあ。こちらではビデオやDVDで出た形跡もないですね。《ハムレットの悲劇》の方はウチにもあるんですけど・・・。

投稿: Orfeo | 2006/07/26 08:52


同じ監督のフラメンコ作品「サロメ」の映像を持っていますが、すばらしいです。スペイン語でよくわからないのですが本編の前に監督の話と舞台裏の様子様子や、景なども入っています。

投稿: dognorah | 2006/07/31 06:45


dognorahさん、どうもです。
日本では、なんといっても《血の婚礼》で有名な監督さんですが、そうですか、《サロメ》もいいですか。それも見てみたいなあ!

投稿: Orfeo | 2006/07/31 08:44

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