« ヒデーーー!! | トップページ | 『コーラス』を観てきた »

2006/03/03

『TEA~茶経異聞』(サントリーホール)

dvd-tea DVDライブラリーより。

サントリーホールの委嘱によって作曲された譚盾(タン・ドゥン)のオペラ。舞台は9世紀、唐時代の中国。

作曲者の譚盾自らがタクトを振った、ホールオペラ形式による世界初演のライブ映像(演出のピエール・アウディは共同制作元のネーデルランド歌劇場の芸術監督)。板張りの渡り廊下を組み合わせた舞台の奥には巨大な掛け軸のような細長い絵模様入りの白幕。オーケストラもこの渡り廊下の脇に収まっていて、ホールオペラならではの特性を生かし、舞台と客席が密な関係を持つ特徴的な劇場空間が形成されている。全体が後に出家して僧となった聖饗の回想という形を取っているが、静寂から水の滴る音まで巧みに取り入れた、譚盾独特の音楽世界が展開されていて、なかなか聴き応えがある。打楽器のアンサンブルも効果的だ。譚盾の音楽やジャン・カルマンの舞台は東洋を強く感じさせるものだが、イタリアの新進デザイナー、アンジェロ・フィグスの手になる衣裳のほうは色合いといいデザインといい、やや奇抜な感じが否めない。が、主要キャストに非東洋人が多いので、この虚構性がかえって上手く適合し、寓意性を高める結果ともなっている。
でも、茶の奥義をめぐるいざこざから愛する女性まで死なせてしまったというのに、出家した主人公が話の最後につぶやく言葉が「茶を味わうのは難しい・・・」っていうのも、男としてどうかと思うぞ。

★★★

聖饗:傳海静(フー・ハイジン)
皇女・蘭:ナンシー・アレン・ランディ
皇子:クリストファー・ジレット
皇帝:スティーヴン・リチャードソン
巫女/陸:ニン・リャン
9人の僧侶:ペーター・アリンク
         ヤン・ウィレム・バリエット
           ピーター・ヘンドリクス
          バス・カウレンブルグ
          マタイス・メスダッハ
          ラハナー・ヴァン・デンフーフェル
          ミッチェル・サンドラー
          マルティン・サンダース
          マタイス・ヴァン・デ・ウールト

管弦楽:NHK交響楽団
打楽器:藤井はるか、稲野珠緒、福島優美
指  揮:譚盾
衣  裳:アンジェロ・フィグス
装置・照明:ジャン・カルマン
演  出:ピエール・アウディ
共同制作:ネーデルランド歌劇場

[  収録:2002年10月24日、サントリーホール  ]
 

|

« ヒデーーー!! | トップページ | 『コーラス』を観てきた »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/122009/8905714

この記事へのトラックバック一覧です: 『TEA~茶経異聞』(サントリーホール):

« ヒデーーー!! | トップページ | 『コーラス』を観てきた »