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2006/02/05

『フィガロの結婚』

dvd-figaro-bohm ベーム&ポネル・コンビによるオペラ映画(音声はウィーン、映像はロンドンのシェパートン・スタジオで収録されている)。なんでも見せなきゃ気がすまないポネルが、ここぞとばかりに細かい演出を施し、クローズアップをバンバン活用。挙句に心象風景までご丁寧に挿入して、類まれなオペラ映画を作り上げてしまいました。音声が別録りなので、口の動きも音楽にわざと合わせていない部分があります(・・・早い話が、口を閉じているのに歌が流れてくる、とか)。ちょっと時代がかっていて、原作のボーマルシェの戯曲に見られる封建制社会に対する批判精神も織り込んだりしていますが、そんなことより、ケルビーノのユーイングにビックリ。か、か、か、か・わ・い・い!(爆)伯爵夫人役の若かりしキリ・テ・カナワもなかなかにハマっています。とにかく、フレーニ、フィッシャー=ディースカウ、プライなどなど、錚々たる実力派歌手たちによる競演はさすがに見事です。ベーム&ウィーン・フィルの風格のある味わいもまた素晴らしい。

それにしてもポネルって、セットやカメラばかりに夢中で、人の動かし方がはっきり言って下手ですよね。まるで音楽の流れなど眼中にないみたい。その点、弟子のパスカルのほうが遥かに上手いんだけどなあ・・・。うん?スタッフの中にマーティノティの名前発見(cf. シャンゼリゼ劇場『フィガロの結婚』)。そうか、ポネル組の人だったんですね、彼も。

音声★★★★★
映像★★★

アルマヴィーヴァ伯爵:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
伯爵夫人:キリ・テ・カナワ
スザンナ:ミレッラ・フレーニ
フィガロ:ヘルマン・プライ
ケルビーノ:マリア・ユーイング
マルチェリーナ:ヘザー・ベッグ
バジーリオ:ヨーン・ファン・ケステレン
ドン・クルチオ:ウィリー・キャロン
バルトロ:パオロ・モンタルソロ
アントーニオ:ハンス・クレーマー
バルバリーナ:ジャネット・ペリー

合  唱:ウィーン国立歌劇場合唱団
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
チェンバロ:フィリップ・アイゼンベルク
指  揮:カール・ベーム
脚  本:ジャン=ピエール・ポネル、ジャン=ルイ・マーティノティ
セット・デザイン:ジャン=ピエール・ポネル
衣  裳:ジャン=ピエール・ポネル、クリスタ・アーヴァン
演  出:ジャン=ピエール・ポネル

[  制作:1975年12月 ウィーン(音声)、1976年6月 ロンドン(映像) ]

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コメント

オペラ映像観始めの、多分二番目のです。
このオペラのひとつの基準になってるかも・・・

>ケルビーノのユーイングにビックリ。か、か、か、か・わ・い・い!
ですね!! ケルビーノが出るシーンばかり、繰り返し見てました^^;


投稿: edc | 2006/02/05 07:45


edcさん、どうも。

ですよね~~!ちょっと我が目を疑いましたよ。こんなかわいいケルビーノが、やがて、あんなカルメンやあんなサロメになっちゃうなんて、女性って、コワイ!(爆)

投稿: Orfeo | 2006/02/05 14:01

 ちえ〜っ!そんなにか、か、か、か、わ、わ、い、い…ですかあ!…。そのほんの5年後くらいに、こっちはカラヤン指揮のザルツブルクで実演を見た時は、なんか憎たらしいだけだったけど(笑)。ただ、ケルビーノが舞台で着替える場面があって、おお!…なんてね。そういうとこって、ある?…。
 僕の時は、ポネルが演出を全然手直ししてないもんで、トム・クラウゼの伯爵がフィッシャー=ディスカウの、ジョゼ・ヴァン・ダムのフィガロがヘルマン・プライのソックリさんになっちゃって、なんかすごい手抜きだなあ…なんて(笑)。さすがカラヤンはベームのソックリさんにはなってなかったですが…。
 フレーニのスザンナは一度見たかったですねえ…。パリのストレーレル版の初演が彼女で、プログラムに、ストレーレルとフレーニとフリジェリオが三人揃ってパリの蚤の市に出掛けて舞台衣裳の布地を探しているという写真なんかが載ってましたが、再演にはついに1度も登場せず、ザルツブルクではアイーダを演ってて、スザンナはイレアナ・コトルバシュでした…いや、エディット・マティスだったかも?。
 ここで「脚本」にクレジットされているジャン=ルイ・マルティノッティはこの前出たシャンゼリゼ劇場版《フィガロ…》の演出家と同一人物で、パリ国立歌劇場にバスチーユ新オペラ座ができる直前の時期につなぎの総監督をやってた人。当時ジャン=ピエール・ポネルのブレーンだったんです…というか、ポネル演出ってのはだいたいこの人が考えてたんだよね。あちらのコメントからも想像つく通り、この人はブレーンとして陰で仕事をして本領を発揮する人なんで、いったん自分が手がけると、えてしてつまらなくなるんだよね。
きのけん

投稿: きのけん | 2006/02/05 19:57


・・・うん?着替えのシーンはあったと思いますが、そんなに刺激的でしたっけ?これ、実はウチのライブラリーじゃないもんで(図書館のライブラリー)、すぐには確かめられません。edcさんだったら分かるかなあ?

投稿: Orfeo | 2006/02/05 22:14

>着替えのシーンはあった
けど
>そんなに刺激的でしたっけ?

同感...で、確認しました^^l

ケルビーノは衣装部屋に入ってしまって、スザンナと伯爵夫人がやりとり....。一度、上半身裸らしいケルビーノが、(何と呼ぶのかしら?)ドレスを着たボディに隠れて戸口まで出てきますが、肩しか見えません(想像をたくましくして楽しめるかも・・??)し、すぐひっこんで、スザンナと奥でごちゃごちゃやってますが、ほとんど見えません。それから、ブラウスとタイツ姿で出てきます。それから、腕に巻いたリボンのことでひとしきりあって、伯爵がやってきて、大慌てで衣装部屋に隠れます。

投稿: edc | 2006/02/05 22:39


edcさん、速攻でご確認いただき、誠にありがとうございます^_^;;

投稿: Orfeo | 2006/02/05 23:00

 edcさんのコメントを読んでナットク!

 そういや僕はこの《フィガロ…》を大祝祭劇場階上の階段通路に座って上の方から見たんですわ。それで下の平土間なんかからでは衝立の陰で肩くらいまでしか見えなかった着替えシーンなんか、上から見たもんで、結構良く見えちゃったんだね(笑)。
 そういうのもう一つあったぜ。パリ=ガルニエのジョルジュ・ラヴェリ演出版《ペレアスとメリザンド》で舞台の上でフレデリカ・フォン・シュターデが着替える場面(メリザンドが城に到着する場)。ここは歌舞伎風の黒子が数人出てきて彼女を囲んで着替えさせるんだけど、一階のアヴァン・セーヌのロージュから、つまり真横から見てると全部見えちゃうんだよね。あれもよかったなあ…。
 それからバイロイトのシェロー=ブーレーズ版《ワルキューレ》第二幕でギネス・ジョーンズがペーター・ホフマンに死の告知に来る場面。ジョーンズが一旦ホフマンの上半身を裸にして死装束に着替えさせる場面。僕の隣の席にアメリカ人の婆さんが座ってて、グーグーいびきをかいて寝てんのよ。うっるせーなあなんて思ってたら、このペーター・ホフマンが上半身ヌードになる箇所まで来たらガバっと起き出して、ガサゴソっとすごい大きな音を立ててハンドバッグの中からでっかい双眼鏡を出しやがって夢中で眺めはじめた。やーよく知ってるなあ!なんて、こちとら感心しちゃって「ウルセー!」なんて言えなくなっちゃったよ(笑)。
きのけん

投稿: きのけん | 2006/02/09 07:51


婆さん、スゲエ!(笑)
それにしても、「あれもよかったなあ・・・」っつうのも、なんだかなあ・・・(爆)。

投稿: Orfeo | 2006/02/09 09:03

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