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2006/02/10

『ウリッセの帰還』(チューリヒ歌劇場)

dvd-ulisse-zurich DVDライブラリーより。

20年前にポネルと組んで、この作品の映像を残したアーノンクールですが、今度はグリューバー とのコンビによる上演です。ポネルとグリューバーでは見た目、方向性が真逆。いろいろ作り込んでしまうポネルに対し、グリューバーはシンプルな構図の舞台を使います。青々としたホリゾ ントの背景や石灰質らしき白い壁、そしてその壁や粗目の床に描かれた青を基調とした絵模様などによって、巧みにエーゲ海の小島らしい質感を表出。その中で、ポネル版ではやたらうるさかったアーノンクールも、抑制の効いた落ち着いた音楽を聞かせています。大人になったなあ(・・・20年前から立派な大人?歳取った、ということね)。若手の歌手たちが中心のキャストも張りのある歌唱を披露。とりわけカサロヴァのコントロール自在の歌い回しは見事です(相変わらず目つきがコワイけど)。人形劇仕立ての求婚者たちのシーンなど、いかにもグリューバーらしい遊び心が加わっていますが、ちょっと冗長なのが玉に瑕?

★★★★

人間のはかなさ/ウリッセ:ディートリヒ・ヘンシェル
時/フェアーチ人:ジュゼッペ・スコルシン
運命/ジュノーネ:マルティナ・ヤンコヴァー
愛/ミネルヴァ:イサベル・レイ
ペネーロペ:ヴェッセリーナ・カサロヴァ
テレーマコ:ヨナス・カウフマン
アンティノオ:ラインハルト・マイア
ピサンドロ/フェアーチ人:マルティン・ツィセット
アンフィーノモ/フェアーチ人:マルティン・オロ
エウリーマコ:ロジェ・ウィドマー
イーロ:ルドルフ・シャシング
メラント:マリン・ハルテリウス
エリクレーア:コルネリア・カリッシュ
エウメーテ:トーマス・モール
ジョーヴェ:アントン・シャリンガー
ネットゥーノ:パヴェル・ダニルク

管弦楽:チューリヒ歌劇場シンティッラ管弦楽団
指  揮:ニコラウス・アーノンクール
美  術:ジル・アイヨー
演  出:クラウス・ミヒャエル・グリューバー

[  収録:2002年2月28日、3月2・5日、チューリヒ歌劇場  ]

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コメント

カサロヴァにめげて?かどうかはともかく、彼女をしばらく眺めたところで、挫折したままです....^^;

投稿: edc | 2006/02/10 10:52


edcさん、どうも。
う~ん、やはりカサロヴァって、悲しいぐらいに舞台映えしませんよね。私は大好きな歌手なので、複雑な心境です。オペラなんかに出て来ないほうが、彼女のためにもいいのかも?

投稿: Orfeo | 2006/02/10 12:16

 Orfeoさんのコメントを読んで、なるほどなあと思ったんだけど、グリューバーの舞台ってのは、芝居の方はそうでもないけど、オペラをやる時、やたらロバート・ウィルソン臭が匂う時があるんだよねえ。
 なるほど、舞台美術家ジル・アイヨーとのコンビはまだ続いてるんだ!…。1980年代に見た最も美しい芝居の一つが、コメディー・フランゼーズでこのコンビが作ったラシーヌの《ベレニス》でした。そういや Orfeoさんもご覧になったエクス音楽祭のミンコ指揮《ポッペアの戴冠》もこのコンビじゃなかったっけ?…。あれはあんまりウィルソンみたいじゃなかったけど…。
 ジル・アイヨーってのは本職の画家だから、抽象絵画みたいな舞台美術じゃなくって?…。ライモンディ主演でジョゼフ・ロージーが演出したガルニエの《ボリス・ゴドゥーノフ》(1980)がこの人の親父さんで建築家のエミール・アイヨーの舞台美術だったよね。
 チューリヒ歌劇場は僕が行った時はトンハレ管がピットに入ってたけれど、シンティッラ管って何だ?…特別編成の古楽器団体かな?…。
きのけん

投稿: きのけん | 2006/02/11 07:04


>シンティッラ管って何だ?…特別編成の古楽器団体かな?

そのようです。英語表記で"Orchestra la Scintilla of the Opernhaus Zurich"ですって。どういう団体なのかは情報を持ち合わせていません。

ジル・アイヨーの美術は、おっしゃるとおり、抽象美術っぽいですね。もちろん、エクスの『ポッペア』もこの人でした。一応リンクを貼っておきますね。

http://www2u.biglobe.ne.jp/~orfeo/990708.htm

投稿: Orfeo | 2006/02/11 09:10

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