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2006/02/07

『トスカ』

dvd-tosca DVDライブラリーより。

フランスの映画監督、ブノワ・ジャコが撮り下ろしたオペラ映画。クローズアップの多用、流動的なカメラアングル、フラッシュバック風のローマの映像等の挿入・・・なんだか最近、同じようなことばかり書いてるな(笑)。ジャコは冒頭、末尾はもちろん、話の途中にまで度々モノクロの録音風景を差し挟んでいますが、ようするに、「俺はオペラなんぞに安易に同化せんよ」というポーズなんでしょう。といいながら、漆黒の暗闇を背景にして人物を浮き彫りにし、ブライアン・ラージなんて手ぬるいとばかりの超ど級のクローズアップでトスカやスカルピアたちの心理までをも抉り取る。なんともあざといねえ・・・。
主役のカップルは本物の夫婦だし、ライモンディの演技には定評があるし、そしてもちろん歌手としての実力は皆折り紙つきだから、迫真の『トスカ』が生まれそうなもんだけど、白々しい印象が残る映像だ。

音声★★★★
映像★★

トスカ:アンジェラ・ゲオルギュー
カヴァラドッシ:ロベルト・アラーニャ
スカルピア:ルッジェーロ・ライモンディ
アンジェロッティ:マウリツィオ・ムラーロ
教会の番人:エンリコ・フィッソーレ
スポレッタ:デイヴィッド・カンジェロージ
シャローネ:ソリン・コリバン
看守:グウィン・ハウエル

合  唱:コヴェントガーデン王立歌劇場合唱団、ティファン少年合唱団
管弦楽:コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
指  揮:アントニオ・パッパーノ
撮  影:ロマン・ウィンディング
美  術:シルヴァン・ショヴェロ
衣  裳:クリスティアン・ガスク
監  督:ブノワ・ジャコ
製  作:ダニエル・トスカン・デュ・プランティエ

[  制作:2001年、フランス・ドイツ・イタリア・イギリス合作  ]

*ブノワ・ジャコ監督にご興味がある方は、CineKen2へどうぞ。
                      (記事番号=637-639)

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コメント

出た出た! 月がじゃないですけど。

久々のライモンディ出演のオペラ映画! というので、監督は誰?誰?とネットで検索しましたが、日本語ではほとんど情報なしでした。
トスカン氏製作のオペラ映画は、前作のアンジェイ・ズラウスキー監督の「ボリス・ゴドノフ」が、日本で公開されませんでしたので、またまた日本ではほとんど知られていない監督だし日本公開はないだろうと踏んでました。

「ボリス・ゴドノフ」の場合は、きのけんさんの撮影現場でのレポートもあり、ズラウスキー監督のプロフィールもちょっと紹介されていましたが、、

話を「トスカ」に戻しますとですね、ところが、今回はまず飛び込んで来たニュースがフランスでのDVD発売!それから、横浜でのフランス映画祭での上映、その後、一般公開もされました。
やっぱり「トスカ」だからでしょうね。舞台でもトスカは集客力があるということで人気演目ですし、映画でも集客が見込めると踏んだのでしょうね。
フランス映画祭では立ち見が出るほど盛況でした。オペラは初めてという方が多かったようです。

きのけんさんのジャコ監督の映画のレポート拝見しました。なんか難しそうな映画ばかりですね。
トスカン氏の舞台中継のようなオペラ映画にはしない、、、というスタンスは守られていますね。もう一つ、再現トスカという吃驚企画のものがありますが、全体的にはあれのほうが好きかもしれませんが、3幕は、こちらの映画が好きですね。

この映画がCSとBSで放送された時の記事をTBさせていただきます。

関係ないですけど、日本の映画監督が自分達にも著作権を認めろ!と運動しているようですが、どういう意味があるのかよくわかりませんが、、、製作者側が勝手にカットしたりするのがヤダだからですか?

投稿: keyaki | 2006/02/07 15:14


keyakiさん、コメント&TB、ありがとうございます。
結局けなしちゃいました。ごめんなさい(ペコリ)。
すべてはきのけんさんが悪いんです(笑)。(←責任回避の図)

映画の著作権に関しては不案内なんですが、財産権がすべて製作者側に行っちゃうのが問題なのでは?

投稿: Orfeo | 2006/02/07 17:43

 実はこの項、以下のような経過を辿ったんです。

1/きのけん=Cineken2が当ブログ=Cineken2-bbs共同企画でカール・コッホ&ジャン・ルノワールの《トスカ》を採り上げた。
http://perso.wanadoo.fr/kinoken2/cineken2/cineken2_cont/cineken2_archive/cinematheque_05.html#456

2/keyakiさんのコメントが入って、このジャコの《トスカ》の話が出た。
http://orfeo.cocolog-nifty.com/orfeoblog/2005/11/post_3632.html#comments

3/仏国立シネマテークでイザベル・ユペール特集が始まって、ジャコのフィルムが4本入ってたんで、その《トスカ》を見逃していた Cineken2は、こりゃ見逃すって手はないと、うち3本見ることができたのでした(以下#637-640 )。
http://perso.wanadoo.fr/kinoken2/cineken2/cineken2_cont/cineken2_archive/forum0601.html#637

4/…について Orfeoさんと Cineken2の間にメールのやりとりがあった。
http://perso.wanadoo.fr/kinoken2/cineken2/cineken2_cont/cineken2_archive/forum0601.html#640

5/早速、当ブログに Orfeoさんの記事(これです!)が出た

…という次第でした。

 大急ぎでアーカイヴ化しましたので、3/のリンクからどうぞ。
きのけん

投稿: きのけん | 2006/02/07 19:55

 改めて Orfeoさんの記事を読んでみて納得したんですが、そうか!、《偽の侍女》(#639)は《トスカ》の予行演習だったのかもよ?…。
 それから「迫真のxxになりそうで、白々しい」という印象は、僕の見た3本にも共通する印象でした。いいんですよね。画像なんかもキレイだし…。でもなんか白々しいんだよね、こいつ(笑)…。
 そういや、マルグリート・デュラスのTV映画《Navire-Night》(>リンク:1979)でジャコが語り手をやってる。話は場所を変えただけで《鳩の翼》(#637 : 1981)とまったく同じ。解像度の低いTVヴィデオさえ我慢すれば、デュラスの方が全然いいんだよね…。
きのけん=CineKen2

投稿: きのけん | 2006/02/08 02:23


きのけんさん、背景説明ありがとうございます。早速アーカイヴ化されたんですね。早っ!(笑)

マリヴォーの『偽の侍女』ねえ。マリヴォーというのは、たしかに演劇的仕掛けが豊富で、現代の演出家が盛んに取り上げていますよね。ジャコも時流に乗りたかったのかな?私は95年だったかな、オデオン座のヨーロッパ劇場で観たストレーレルの『奴隷島』が面白かったなあ。きのけんさん、観ました?

投稿: Orfeo | 2006/02/08 09:11

▼ストレーレル演出《奴隷島》

 …実は、法政大学出版局から出た『啓蒙時代叢書』というのに僕の邦訳でこの戯曲が収録されてます。あっ、これって一冊数万円もする豪華本だから間違っても本屋に注文するなよ!(笑)。実は、このストレーレル演出版がその切っ掛けになってまして、解題に舞台写真入りで出てますよ。あはは!こんな仕事をしたのをすっかり忘れてたよ!…。
 それから大修館から出てる『マリヴォー選集』の写真はほとんど全部僕が集めてきたもので、大先生たちによるかなりアカデミックな邦訳とシェローやペーター・シュタインなどの舞台写真がかなり強烈なコントラストを形作ってるはづです(笑)。こっちもすっかり忘れてたよ。
きのけん

投稿: きのけん | 2006/02/08 13:50

▼アーカイヴ化

 …というのも、僕のbbsは容量を超過するとじゃんじゃん自動的に削除されいていってしまうもんで、割とマメにやってるんです。目次、索引その他もあるサイトに移しておいた方が便利だし…。
 こないだ、前の方に遡ってみて、半分以上消えて無くなってるんでビックリ仰天。1000番まで保管されるって触れ込みですが、1件2行くらいづつで1000件ということらしいんだね。やっぱし、こちらに較べると随分ケチ臭いぜ…。
きのけん

投稿: きのけん | 2006/02/08 14:07


あらら、呑気に「観ました?」なんて訊いてる場合じゃなかったよ!(爆)これだからきのけんさんとのやり取りは怖いんだよねえ・・・。

う~む、一冊数万円もする豪華本かあ。よし、近所の図書館に注文出して、買わせよっと。それがいいっ!

投稿: Orfeo | 2006/02/08 14:41

▼keyakiさん:
>なんか難しそうな映画ばかりですね。

 いや、決してそんなことはないんです。そう感じられるのは僕の書き方が悪いからなの。
 つまり、この人の映画って、どっかピンと来ないんですよねえ。それで、僕のいつもの書き方として、好き嫌いだけ、いいか悪いかだけで済ましちゃうのは厭だし…、どっか面白いところ、興味深いところはないか?…とか、どうすればもっと面白くなるか?…とか考え始めちゃうじゃない。そうなると難しくないものまで難しく見えちゃうというだけのことですわ(笑)!…とまあ、そうなるのは専ら書いてる方が下手だからなんです。実際、ジャコのものは非常に判りやすい映画ですよ。結構キレイだし。
 ただ、やっぱし、トスカンさんもちょっと疲れたかな?…。特にこの時期、トスカンさんはアイルランドかどっかでお嬢さんが殺されるなんてひどい事件があったでしょ…。Orfeoさんのおっしゃる「安易には同化せんよ」というこだわりはトスカンさんのものでもあったので、だから彼のオペラ映画はジョゼフ・ロージー、ハンス=ユルゲン・ジュバーベルクだし、フランチェスコ・ロージ、ズラフスキ…なんだけど、ジャコの選択というのは、そうした挑戦意欲みたいなものが多少薄れている感じがしないこともないなあ…。
 …そうかあ!《ボリス…》は日本では出なかったんですか!それは残念。…というのも、彼氏日本に行きたがっていたみたいだから。弟が新宿というところに住んでるんで、プロモがてら行きたいなあなんて言ってましたよ。タルコフスキも見てたみたいだったし、もちろんロージーの《鱒》も見てたでしょう。日本にある種の幻想を抱いてたみたいだったし、奥さんのマルソーちゃんと一緒に呼んだら、それだけでかなりのプロモになったでしょうに…。知り合いの日本人評論家で、あれこそ本物の気狂いだ!なんてえらく評価する奴がいたんで、てっきり日本じゃ有名なんだと思ってたんですがねえ…。
きのけん

投稿: きのけん | 2006/02/08 14:56

▼『啓蒙時代叢書』

 実は僕も本が送られてきた時、値段を見てビックリ仰天!ウソだろと早速編集者に問い合わせたら、要するに全国の図書館と大学で買ってくれれば元がとれるように値段を付けているとのことでした。だから、もし一般の人が買ったら、本屋は丸儲けなんだよねえ(笑)。ただし、今本が手元にないんで、4巻くらいあったうちの第何巻に収録されていたか忘れちゃった。それから、まったく同時期に岩波書店からも似たような、確か『啓蒙主義大航海時代叢書』とかいうのが出てましたが、そっちではなく法政大学出版局の方。…そうか、ああいう企画はフランス革命二百周年記念の尻馬に乗った企画だったんだね、今考えてみると。それなら、仏文化省あたりからしこたま助成金をふんだくればもっと安くすることができたでしょうに(笑)…。
 そういや、あの時、フランス革命二百周年記念行事を見るツアーとかいうのがやって来て、《アンドレア・シェニエ》の解説なんかやらせられたぜ。《シェニエ》なんて見たことも聴いたこともなかったから一夜漬けで勉強してね(爆)。ヴェルサイユ宮殿中庭の特設舞台にドミンゴが出て、マイクを通して歌って(杜撰な公演で、歌手が結構動くのに、いつも同じところから声が聴こえてくる…とかいう。でもほとんどの人は気が付かないで、さすがドミンゴさんの声はすごいですね、なんて言ってるんだよねえ〜笑〜)。公演後早朝までディナーという代物で、例のナイル河畔で《アイーダ》をやったあのプロモーターでした。なんか宮殿の一部を壊しちゃったとかで、その後仏文化省が訴訟を起こしてましたよ。
きのけん

投稿: きのけん | 2006/02/08 15:40


う~む、法政大学出版局のサイトに行って調べたりしたんですが、さっぱり分かりませんねえ。だいたい、なんちゅうやる気のないサイトだ、あそこは!自分とこで出した出版物の目録ぐらい、作っとけっつうの。

これは今から購入出来るのか怪しいもんなので、近所のちっちゃい図書館じゃなくて、県のでっかい図書館にでも行ってみます。

投稿: Orfeo | 2006/02/08 16:29

 実はこっちも行ってみたんですけど、こっちは表示もされなかったですよ。もしや、あすこつぶれたのかなあ?…。法政大学という株主がついてるから倒産するようなことはないとは思うけど…。

 関係ないけど、そういやホリエモンというのは Orfeoさんのところの近くの出身じゃなかったっけ?…。
きのけん

投稿: きのけん | 2006/02/09 08:03


うん、倒産はせんでしょ、あそこは。それに、わけの分からん会社に買収されることもないだろうし・・・(笑)。

というわけで、ホリエモンに関してはノー・コメントということで。

投稿: Orfeo | 2006/02/09 09:11

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CSで、ゲオ&アラとライモンディの映画「トスカ」が放送されました。 さんざん見てますが、ファンてしては、やっぱり録画しないとね。 DVDも3種類買ってます。フランス版、日本版、イギリス版 それぞれ特徴がありますから、ファンとしては買わざるを得ない。 ◆フランス版は、世界で一番にリリースされました。 ◆紀伊国屋書店からリリースされた日本版は、ダニエル・トスカン・デュ・プランティエ、ブノワ・ジャコ監督、アンジェラ・ゲオルギューのインタビュー映像 の特典つき。 残念なことにトスカン氏は、2003年... [続きを読む]

受信: 2006/02/07 14:41

» ブノワ・ジャコ監督「トスカ」BS2で放送! [keyakiのメモ、メモ.........]
ミッドナイト映画劇場「トスカ」BS2:11/20(日)午前0:40-2:46(19日深夜) プッチーニによる不朽の名作オペラ「トスカ」のフランスの新鋭ブノワ・ジャコ監督による映画化。美貌の歌姫トスカとその恋人の画家が、トスカを愛するもう一人の男により巻き込まれる皮肉な運命を描く。 【出演】アンジェラ・ゲオルギュー、ロベルト・アラーニャ、ルッジェーロ・ライモンディ他 ◇ブノワ・ジャコ監督インタビューより: 権力の象徴としてのカツラ(スカルピア役は多くの舞台ではカツラをつける)をつけ... [続きを読む]

受信: 2006/02/07 14:42

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