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2005/11/05

『トスカ』

toscacineken2_logoorfeo.blog=CineKen2
共同企画:

映画作家による幻想のプッチーニ・オペラ・シリーズ

▼カール・コッホ&ジャン・ルノワール《トスカ》
(仏=伊、1941)

トスカ: インペリオ・アルヘンティーナ(dubbingジョヴァンナ・スコット)
マリオ・カヴァラドッシ:ロッサノ・ブラッツィ
スカルピア男爵: ミシェル・シモン
アンジェロッティ :マッシモ・ジロッティ(dubbingアドリアーノ・リモルディ)
アッタヴァンティ侯爵夫人:カルラ・カンディアーニ
ナポリ女王 :オルガ=ヴィットリア・ジェンティーリ
シャローネ :ニコラ・D・ペルシコー(dubbingブルーノ・ペルサ)
スポレッタ:フアン・カルボ(dubbing チェーザレ・ポラッコ)
パイジエロ:クラウディオ・エルメッリ
オペラのアリア: マファルダ・ファヴェーロ、フェルッチョ・タリアヴィーニ


監督:カール・コッホ&ジャン・ルノワール(助監督:ロッテ・ライニガー、ルキノ・ヴィスコンティ)
脚本:アレッサンドロ・デ・ステファニ、カルミネ・ガローニ、 カール・コッホ、ジャン・ルノワール、ルキノ・ヴィスコンティ(原作: ヴィクトリアン・サルドゥー、ジュゼッペ・ジャコーザ、ルイジ・イーリカ)
音楽:ジャコモ・プッチーニ(指揮フェルナンド・プレヴィターリ)、ウンベルト・マンチーニ
撮影:ウバルド・アラータ
編集:ジーノ・ベトローネ

 貴重かつ見事なフィルムです。ジャン・ルノワールのフィルモグラフィーというのはこういうのが平気でクレジットされていなかったりするから怖いんだよね(脚本にさえ!)。というのも、ルノワールが愛弟子ルキノ・ヴィスコンティと一緒にシナリオを作って撮り始めたのはいいんだけれど、第二次世界大戦勃発のためイタリアでの撮影が続けられなくなり、助手のドイツ人カール・コッホという人がバトン・タッチして完成させたフィルムなんで監督名にはこっちがクレジットされているんです。オペラをそのまま撮ったオペラ映画ではなくて、あくまでヴィクトリアン・サルドゥーの原作戯曲をもとに、プッチーニの音楽を適宜採り入れて作った純然たる映画です。オペラをヴィデオで見る人たちは、こういうのを是非見とくべきなんだよね。ジョゼフ・ロージーの《ドン・ジョヴァンニ》もそうですが、本物の大口径の映画監督が本気で撮った映像というのがどんなにすごいものだか、たかだかテレビの舞台中継に過ぎないいい加減な代物と較べてみると、一目瞭然だから…。

(全文を読む>下の「きのけん」下線より CineKen2へ飛んでください。)

CineKen2=きのけん

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コメント

>オペラをヴィデオで見る人たちは、こういうのを是非見とくべきなんだよね。
面白そうですね。きのけんさんの全文読んで来ました。
見たいですけど、ビデオにもDVDにもなってないようですね。なってますか?

ジャコ監督の「トスカ」のレポートはないですね。ご覧になってないということはないですよね。

投稿: keyaki | 2005/11/06 10:55

オペラのお話からは逸れますが、カール・コッホと“助監督”にクレジットされている(コッホの妻である)ロッテ・ライニガーは、知る人ぞ知る! 世界唯一無二の存在ともいえる影絵映画作家であり、ディズニーの『白雪姫』に先駆けること11年前に映画史上はじめて作られた長編アニメーション『アクメッド王子の冒険』(1926)は、このライニガー夫妻製作によるものです。
そして、ナント! そのライニガーの傑作選上映展が11/12(土)より、東京都写真美術館ホールにて公開されます!!
上映作品の中には、『カルメン』や『パパゲーノ』などオペラ作品をモチーフにしたものもありますので、ご興味ありましたら、是非!
こちらのブログをご覧の皆さんはオペラに精通されていらっしゃるかと思いましたので、一言お知らせまで。

投稿: 匿名希望 | 2005/11/07 07:41


匿名希望さん、情報ありがとうございます。
面白そうですね、それ。私が東京にいれば、行くな、絶対。

投稿: Orfeo | 2005/11/07 08:46

>「匿名希望」さん

 上の情報、大変貴重なものですのでサイト「CineKen2」(>リンク)内の《トスカ》コメントの下にコピー&転載させてください。当座はコメントへリンクを貼っておきますが…。

 でも、なんかジャン・ルノワールに協力した人にはエラくなる人が異常に多いねえ…。あの人には他人の才能を見抜いて、それを解放して発展させたりする才があったみたいだね。昨日見た《ピクニック》の助監督には《遊戯の規則》同様、ジャック・ベッケールとヴィスコンティと並んで、有名な写真家のアンリ・カルチエ(=ブレッソン)がクレジットされていたし、パオロ・ローチャなんかもどっかで助監督をやってたし…。そうそう、《捕らわれた伍長》でジョゼフ・コスマ作曲の管弦楽を指揮しているのがセルジュ・ボードだったぜ!…(初っ緒のクレジットからして、こりゃ並の奴が振ってるんじゃないなと即座に判っちゃう!)。《南部の人》の助監督にロバート・オルドリッチ!…とか。

ブノワ・ジャコの《トスカ》はロードショウになった時見逃して以来見る機会に恵まれません。機会があったらコメントします。でもあれは ここOrfeoさんのところに出そうだからなあ…。出たらそいつをリンクさせてもらおうと思ってるんです(笑)。トスカン(ダニエル・トスカン・デュ・プランチエ)さんも僕のインタビューであんなオペラの映画化ができますか!なんて言ってるしねえ(笑>「CineKen2」内のリンク)。だからあれはトスカンさん側からの提案でなく、ブノワ・ジャコ側でトスカンさんを口説いたのかも知れない…。あるいはEMIから来た話に乗ったのか?…。

 このカール・コッホ+ルノワール版《トスカ》のDVDはフランスでは出てないみたいですけど(仏シネマテーク=Studio Canal刊記念ボックス JEAN RENOIR L'ESSENTIEL : DVD x 12には未収録)、それにしては見事に修復してあったんで、既にVHSで出ていたか?…、いづれにせよ用意はできてると思いますよ。多分、アルヘンティーナ神話が未だ強固に残っているらしいスペイン辺りでDVD化される可能性が高いな。
きのけん=CineKen2

投稿: きのけん | 2005/11/08 17:27

あっkeyakiさんのがその上にあった!

 実は、keyaki さんを一発で信用しちゃったのは、keyakさんがジョゼフ・ロージー《ドン・ジョヴァンニ》についてお書きになってるコメントを読んだからなんです。あっ!こういう人なら信用できる…って(笑)。僕自身、どうせロージーがアルバイトでやったやっつけ仕事だろうなんて半分馬鹿にして見に行ったら一発で掴まっちゃったんだ。四半世紀後にロージーの全作品を見終わった後で再び見直しても色褪せてなかった。うん、あれもスゴイよねえ…。
CineKen2=きのけん

投稿: きのけん | 2005/11/08 17:42

>だからあれはトスカンさん側からの提案でなく、ブノワ・ジャコ側でトスカンさんを口説いたのかも知れない…。あるいはEMIから来た話に乗ったのか?…。

少なくとも表向きはというか、トスカン氏ご自身が、いつものやり方でやったと言うとります。

ゲオルギューをコヴェントガーデン(椿姫)で見て、こりゃトスカに使えるわい、ということで、キャストを決めて、サントラを録音して、ジャコ監督にあとはお好きにどうぞ・・ということだったそうですよ。
ジャコ監督は、横浜のフランス映画祭でも言ってましたが、オペラなんてどっちかというと嫌いなのになんで自分にオファーがくるのか!とビックリしたと言っとりました。

トスカン氏が健在であれば、ナタリー・ドュセ2役で魔笛の映画の企画もあったそうです。
この辺のこと、私のHPにありますのでよろしかったらご覧下さいませ。
(インタビュー記事の転載)
http://www.geocities.jp/cantante_espressiva/toscaeiga.html

それから、ロージー監督ももうちょい長生きして下さっていれば、ライモンディ出演の映画の計画があったんですよね。シナリオまでもらって楽しみにしていたようですよ。
サウジアラビア王国の再興者、イブン・サウドを演じることになっていたとか。

きのけんさんにお尋ねしようと思っていつも忘れてしまうのですが、ライモンディ氏、変な映画に出てますが、悪魔の研究のために出演してみたのでしょうか?どうおもいますか?
http://www.geocities.jp/cantante_espressiva/diable2.html

投稿: keyaki | 2005/11/08 22:23

 あっ、これ僕も、いつぞやのアラン・レネの時に IMDbを探してて、おお、こんなのにも出てる!なんて見つけたのでした。
残念ながら、全然記憶にありません。アラン・ジョシュアじゃ、あまり機会なんかないかも知れませんが、気を付けておきます。
げっ、音楽がミシェル・ポルタル、撮影がパスカリーノ・デ・サンティスですか!…随分豪華だなあ…。
きのけん

投稿: きのけん | 2005/11/09 00:06

▼映画作家による幻想のプッチーニ・オペラ・シリーズ

その1:アキ・カウリスマキ《ラ・ボエーム》(フィンランド=仏、1992)
「エヴリヌ・ディディのミミさんが病院で病死し、マッティ・ペロンパアのロドルフォさんが黒犬のライカさんことボードレールと一緒に病院を去っていく背後に「雪の降る街を…」なんて日本語の歌が流れちゃったりすると、これはやっぱりドキっとしますね。」
続きを読む;
http://perso.wanadoo.fr/kinoken2/cineken2/cineken2_cont/cineken2_archive/forum0503.html#295

その2:カール・コッホ&ジャン・ルノワール《トスカ》(仏=伊、1941)

その3:デイヴィッド・クロネンバーグ《蝶々氏(M・バタフライ)》(米、1993)
「ジャンル:幻想&倒錯の《蝶々夫人》」
ネタばれ注意!>近々見る予定のある人は読んではいけません。
http://perso.wanadoo.fr/kinoken2/cineken2/cineken2_cont/cineken2_archive/cinematheque_05.html#butterfly

CineKen2
NB:下の「きのけん」下線リンクは仏国立シネマテークHPへ飛びます。


投稿: きのけん | 2005/11/15 04:13


きのけんさん、毎度どうもです。
これ、また新規記事としてアップしてもいいですか?

------------

と、思って読みにいったら、もうしっかり共同企画になっていました(爆)。じゃあ、アップしちゃいますね。

投稿: Orfeo | 2005/11/15 10:26

緊急お知らせ!
NHKBS2で、ジャコ監督の「トスカ」が放送されます。

ミッドナイト映画劇場「トスカ」BS2:11/20(日)午前0:40-2:46(19日深夜)

Orfeoさんはご覧になっったんでしたっけ?

投稿: keyaki | 2005/11/19 00:29


keyakiさん、おはようございます。
まだ見てないので、録画しなくっちゃ!
情報、本当にありがとうございます。
楽しみです。

投稿: Orfeo | 2005/11/19 08:16

Orfeoさん、きのけんさん、こっそりこんなおもしろいところがあったんですね!

このルノワールの映画、今からだともうずいぶん昔に「オペラ・ファン向きのオペラ映画」という公開のされ方をしました。オペラ・ファンにはご推察どおり、あまり受けず、ひたすらシネ・フィルに受けていました。で、これ、当時VHSでも出ていたし、LDにもなっていたんですよ。

ひとつ、ちょっといいですか。
ラ・トスカ役のインペリオ・アルヘンティーナは、大野一雄のあのラ・アルヘンチーナではありません。大野一雄が帝劇で観てすっかり魅了されてたラ・アルヘンチーナはアントニア・メルセのことで、1936年には亡くなっています。そういう思い入れでこの映画を観るとねもっともっと楽しくなること請け合いなんですけれどね。

投稿: Bowles | 2005/12/07 18:39


Bowlesさん、貴重な情報、ありがとうございます。

そういわれると、ますますこの映画、見たくなってきました。NHK-BSあたりで流してくれないものかなあ。NHKの人、誰でもいいからここを読め!
「こっそり」といわれてるから無理か・・・(爆)。

投稿: Orfeo | 2005/12/07 19:38

>Bowlesさん:
こちらからも、貴重な情報を有難う。サイト「Cineken2」のアーカイヴの方にコメントへのリンクを貼っておきます。
きのけん

投稿: きのけん | 2005/12/08 03:12

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