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2005/10/05

『サムソンとデリラ』(サンフランシスコ歌劇場)

dvd-samsonetdalila DVDライブラリーより。

旧約聖書に基づくサン・サーンスの歌劇。

絶頂期のドミンゴとヴァーレットの掛け合いが見事。ただ、この映像はアメリカのテレビ番組用の収録で時間的制約があったようで、音楽はかなりテンポが早目に設定されている。舞台は装飾過多で、演技スペースは驚くほど狭い。ラストの見せ場、神殿が崩れる場面では石柱がぐにゃり(?)と折り曲がり、全体が崩落していくが、照明がすぐ暗くなるのであっけない。

★★★

サムソン:プラシド・ドミンゴ
デリラ:シャーリー・ヴァーレット
ダゴンの大祭司:ウォルフガング・ブレンデル
アビメレク:アーノルド・ヴォケタイティス
老ヘブライ人:ケヴィン・ランガン
第1のペリシテ人:マイケル・バーラム
第2のペリシテ人:スタンリー・ヴェクスラー
ペリシテ人の使者:ロバート・テイト

バレエ:サンフランシスコ歌劇場バレエ団
合  唱:サンフランシスコ歌劇場合唱団
管弦楽:サンフランシスコ歌劇場管弦楽団
指  揮:ジュリアス・ルーデル
演  出:ニコラ・ジョエル

[  収録:1981年、サンフランシスコ歌劇場  ]

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コメント

 実は、シャーリー・ヴァーレットって、いちばん好きな歌手の一人だったんです。ジュリーニの《ドン・カルロ》で舌を巻いちゃって、アバドの《マクベス》でまたまた仰天!…。

 実演はほとんど見てないんじゃないかな?…。よく憶えているのはパリの《マクベス》で指揮がジョルジュ・プレートルで演出が、なんとアントワーヌ・ヴィテーズ。例の手についた血を拭う場面で、気が狂った彼女が完全に少女に戻っちゃうんだよねえ…。お手玉かなんかして遊んでる感じ。あれはすごかったなあ…。黒澤明の《蜘蛛巣城》の山田五十鈴よりすごい!…。あれに較べると、グルック《トーリドのイフィジェニー》(…だったっけ?…、演出は映画監督のリリアナ・カヴァーニ)もベルリオーズ《トロイ人》(演出ピエール=ルイジ・ピッツィ、指揮チョン・ミュンフン)もイマイチだったな。

 だだ、ちょうどこの時期(1970年代末〜80年代初め)、彼女かなりのスランプだったんです。というのも、ソプラノに移行しようとしてスカラで《ノルマ》なんか歌ってるんだ。それで大失敗して…。

 そうなんだよ。この人、もう完全のメゾ、それもアルトがかったメゾなんで、どこから見たってソプラノじゃないやね。《トロイ人》でグレース・バンブリーと共演してそのことがよく判ったですよ。グレース・バンブリーってのは、あの人は本当のソプラノなんだ。この上に出てくるフィリッポ・サンユストの演出(指揮ミヒャエル・ギーレン)でフランクフルトで《タンホイザー》の二役(エリーザベトとヴェーヌス)をいっぺんにやったわけ。そしたらソプラノのエリーザベトの方が全然いいんだよね。あっ、この人ソプラノなんだ!って思った。確かに、ソプラノの役を演る時の方が声が早く疲れてくるみたいだったんで、彼女はメゾの役を好んで歌ったんでしょうが、シャーリー・ヴァーレットは、そうこのダリラなんかを演る完全のメゾなんだよね。

 今でも、この人は戦後最高のメゾの一人だと思ってます。《ドン・カルロ》のエボリ姫とマクベス夫人は他の誰に較べても、この人が一番すごいと思うんですがねえ…。
きのけん

投稿: きのけん | 2005/10/06 16:59


ヴィ、ヴィ、ヴィテーズの《マクベス》!
そりゃ凄そうだ!観たかったなあ。

投稿: Orfeo | 2005/10/06 18:50

シャーリー・ヴァーレットは、ヌッチとマクベスのオペラ映画にも出演してますね。
1985年スカラの開幕公演ではカルメンを歌ってます。エスカミーリョがライモンディなんで知ってるということなんですけど。
彼女を見る度に美空ひばりに似てるなぁ、、と思います。

先日、スカラ座の最新のドミンゴとボロディナの「サムソンとデリラ」を見ました。
いつまでやるんだドミンゴなんですけど、、、お年を召したサムソンのせいか、ボロディナのせいか、イマイチ盛り上がりませんでした。
やっぱり、こっちの方が名演ですね。

投稿: keyaki | 2005/10/07 10:24


keyakiさん、こんにちは。
そうか。あの『マクベス』、ヴァーレットでしたね。
せっかくだから、明日アップします。

ところで、

いつまでやるんだドミンゴ
ちったあ演技しろパヴァロッティ
リサイタルですかカレーラス

といったところでしょうか・・・(笑)。

投稿: Orfeo | 2005/10/07 12:52

>いつまでやるんだドミンゴ
>ちったあ演技しろパヴァロッティ
>リサイタルですかカレーラス

これいただきです。メモメモ、、(笑)

きのけんさんに業務連絡!
私のブログのきのけんさんのコメントにレスがついていますので、よろしくお願いします。更なる質問もあります。

ゲストブックに書いた方が目につくかしら?

投稿: keyaki | 2005/10/08 10:48


世界に広めよう、三大テノール賞賛標語(どこが?)、ですね(爆)。

きのけんさんへの伝言は、CineKen2-FORUMに書き込むと確実ですよ!
(あそこはブログじゃないから、書き込みづらいかもしれませんが・・・)

投稿: Orfeo | 2005/10/08 14:14

Orfeoさん:
>ヴィテーズの《マクベス》

 このシーズン、アントワーヌ・ヴィテーズは自分のシャイヨー国立劇場の方ではヴィクトル・ユゴー特集を組んでまして、《リュクレス・ボルジア》、《エルナニ》…とあと何だっけ?…。オペラ《マクベス》もその射程距離内に入っていたんです。《マクベス》だからっつうんで、シェイクスピアなんかに戻らず、ヴェルディがさかんにオペラ化したヴィクトル・ユゴーに戻っていったところがヴィテーズらしい…というか、センスある人だよね。

 そういや、ヴィテーズも結局オペラをほとんどやらなかった人だよね。ムーティとの《フィガロの結婚》(フィレンツェ:後にボーマルシェのオリジナルもやってる)、アバドとの《ペレアス》、あっそうだ!《オルフェオ》もやってる(但しシャイヨー国立劇場で)、アペルギスの現代オペラ《赤いスカーフ》、オタワでやった《オテロ》とこの《マクベス》…それで全部じゃない?…。
きのけん

投稿: きのけん | 2005/10/11 01:52

(keyaki-blogから続く)
>keyakiさん:
>業務連絡:

 今、回答を書き込んできました。ただ、ああいう議論を始めちゃうと、キリがないんで、回答は搦め手から(笑)。

 助六さんの問題点は、彼氏、ちょっとお人好しなところがありまして、彼らの言っていることを鵜呑みにしちゃうんだよ。演出家ってのは、原則的にホラ吹きが商売なんだってことがあまりよく判ってないみたいなんだよね。

 一度、ダニエル・メスギッシュがリゲッティの《ル・グラン・マカーブル》の仏初演をやった時、初演の晩来ていたリゲッティがオペラの途中でプイと席を立っちゃった。
 さあ、翌日の新聞評が騒いだの、騒がなかったのって!「作曲家を裏切った演出家!」って例のヤツだよね。おまけに、メスギッシュはプログラムに「リゲッティはあんな代物(原作ミシェル・ドゥ・ゲルドロードの同名戯曲)を<前衛>だと思ってるらしいんだが、あんなものはたかだか…」なんて書いてるわけよ。
 そしたら、二日目の晩には(勿論評論家連中は二日目には来てない!)、リゲッティとメスギッシュの二人が互いに抱き合って、大喜びでカーテン・コールに出てきたじゃない!。要するに、二人で示し合わせてオペラ評論家たちをコケにしたわけ!…。
 これに騙されなかった批評子というのがたった一人だけいました。『ル・モンド』紙のジャック・ロンシャンさん。この人だけが、「…裏切ったかも知れないが、にもかかわらず、すごく良かった」と褒めたんだよね。、それで一発で僕はあいつを信用した。その後、実際に会った時、あれでオマエさんを一発で信用したなあ…って言ったら、なんかやたら喜んじゃって、評論集の本までくれちゃったよ(笑)。

 まだあるよ。第一次湾岸戦争の時、ベルナール・ソーベルがモリエール《人間嫌い》を演出していたんだ。初日前に『テレラマ』誌の批評子がやってきてインタビューやったら、ソーベルはモリエールなんかそっちのけでサダム・フセインの話ばかりして、結論に、何事も政治抜きでできるものなんてない。勿論、演劇だってそうだ!、とやって、オレはセックスしている間だって政治のことばかり考えてる(爆)なんてブチ上げたわけよ。さあ、『テレラマ』誌の批評子が何を書いたかというと、「ソーベルが『人間嫌い』に政治的解釈!」なんてやっちゃたわけ。ところが、いったんフタを開けてみたら(僕は初日に行ったんですが…)、ソーベル劇の中でも最も古典的な演出。政治だなんぞ、これっぽっちだって出してないんだ!。つまり、ベルナール・ソーベル=共産党員というイメージを利用して、いかにもさもありなんってなコメントを出して、かの批評子に一杯食わしたわけ。あの記事を見て、ソーベルさん呵々大爆笑したに違いない。
きのけん

投稿: きのけん | 2005/10/11 04:46


お疲れ様でした(笑)。

ヴィテーズ、それでもそんだけオペラやってるんですね。意外でした。
なにかどれでもいいから、映像は残っていないものなのでしょうか?

投稿: Orfeo | 2005/10/11 08:21

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