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2005/09/23

『ボエーム』(ブレゲンツ音楽祭)

dvd-boheme-bregenzDVDライブラリーより。

若手の登竜門とされるブレゲンツでの夏の風物詩。湖上に浮かんだ円形の舞台の上で、ポップな世界が展開する。抽象的な舞台装置、効果的に挿入されるダンス(外れもあり)、マリリン・モンローばりの網タイツ姿のムゼッタ、などなど、見た目はなかなか面白いんだが、音楽的には今ひとつ突き抜けていない。なにせ野外だし、ステージから客席まで湖を挟んで少し距離があるということで、音声を一人一人ヘッドフォン型のマイクで拾ってはいるのだが・・・。

★★

ミミ:アレクシア・ヴルガリドゥ
ムゼッタ:エレーナ・デ・ラ・メルセド
ロドルフォ:ロランド・ビリャソン
ショナール:トビー・スタフォード・アレン
マルチェルロ:リュドヴィク・テジエ
コルリーネ:マルクス・マルクヴァルト
アルチンドロ:エードリアン・クラーク
ブノア:アンドルー・グリーナン
パルピニョール:ブルクハルト・ウルリヒ
ほか

合  唱:ブレゲンツ音楽祭合唱団 、モスクワ室内合唱団、ブレゲンツ音楽学校児童合唱団
ダンス :ブレゲンツ音楽祭ダンスアンサンブル
管弦楽:ウィーン交響楽団
指  揮:ウルフ・シルマー
演出・美術:リチャード・ジョーンズ、アントニー・マクドナルド 

[  収録:2002年8月4日、ブレゲンツ・ボーデン湖湖上ステージ(オーストリア) ]

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コメント

湖上でのボエーム…、お写真が素敵で、なんだか惹かれます。
こんな情景の中で、ミミとロドルフォの恋を観てみたいな~~~。
『ボエーム』は大抵、ミミに感情移入しちゃうんですが、この舞台だと尚更でしょうね。ここでロドルフォに看取られるなら、死んでもいい!って感じ(笑)。
でも、実際問題、野外オぺラって、音声的にはかなり大変そうですね…。

投稿: Cutty | 2005/09/23 20:17


Cuttyさん、こんばんは。
結構ぶっ飛んだ舞台ですよ、これ^_^;;
ま、若々しい息吹に富んでいて、面白いですけどね。

同じ野外オペラでも、古代劇場なんかだと、かえってよく声が通る場合がありますが、ここは写真で見てのとおりの状況なので、マイクを使わんことにはどうにもならないでしょうね。だいたいオケがどこにいるのかさっぱり分かりません(笑)。

投稿: Orfeo | 2005/09/23 22:01

 …そうなんですよね。いつも不思議に思うんだけど、ここってマイク通してるの?…。

 Orfeoさんもおっしゃる通り、フランスのオランジュ古代劇場ってのは、ローマ時代の古代劇場がそのまま現存している欧州でも唯一の例なんです。そこへいくと、ローマのカラカラ浴場は劇場ではないし、ヴェローナのアレーナだって、あれはあくまで「アレーナ」つまり奴隷やなんかを野獣と戦わせた競技場なんだよね。

 その他シチリアのタオルミナにはギリシャ時代の古代劇場が残っていて、以前ジュゼッペ・シノーポリが夏の音楽祭をやってましたが、あれはもうほとんど壊れちゃってるんだ。何が決定的かというと、舞台背後の巨大な壁がもう半分以上無くなっちゃってる。だからエーゲ海が借景されていてきれいなんだけど、舞台の音を客席に反響させるものがもう無いんだよ。その巨大な壁がそのまま残っている唯一の例がオランジュの古代劇場なんです。ローヌ河三角州の入り口というとんでもない辺境だったことが幸いして、ここだけ残っちゃったんでしょうが、あれこそ本物の古代劇場なんです。

 

投稿: きのけん | 2005/09/24 17:13


いいなあ。オランジュ、行ってみたいです。
ブレゲンツは、明らかに全員マイク付けてますね。

投稿: Orfeo | 2005/09/24 19:18

ブレゲンツのは、実際に生で見ている分にはいいのかもしれませんが、映像だとマイクをつけているのが目障りです。
マイクといえば、すごいのがありました。
屋外競技場のようなところで、椿姫をやってましたが、おでこに貼付けてあって、コードまであるんですよ。
ステファニア・ボンちゃんですから、Orfeoさんはご覧になっているのではないですか?

>オランジュ
風が強いので有名みたいですね。昔のカバリエの「ノルマ」も風の音がヒューヒュー、
最近の「ホフマン物語」も風で水がかかっったりしてドゥセーのオランピア人形がふざけて遊んでましたね。

投稿: keyaki | 2005/09/24 23:33


そのボンファデッリは見てないですね。そもそも、私、ボンちゃんの追っかけじゃないですから(笑)。

オランジュでのドゥセーのイタズラ話はきのけんさんもしていましたね。オケ・ピットに水を掛けて、音楽が止まった、というお話。これぞホントの水入り(爆)。

投稿: Orfeo | 2005/09/25 09:45

>ボンちゃんの追っかけじゃないですから(笑)
そうなんですか、残念です。

>ドゥセーのイタズラ話
どこかで読んだような気がしてました。きのけんさんでしたか。この時のドゥセーは、ピンクのフリルのお洋服にハイソックで、かわいかったので、あのいたずらも演出だったのかもですね。

投稿: keyaki | 2005/09/25 12:41


サヴァリの演出ですよね。ありうる、ありうる(笑)。

ボンちゃんは久し振りになにか見てみたいんですが、あいにく、現在、ウチには彼女の映像がないんです。

投稿: Orfeo | 2005/09/25 16:18

>ドゥセーのイタズラ話

あっ、あれ、ちゃんと映ってたんだ(笑)。あれは、ひょっとしてサヴァリがけしかけたのかもね?…。あの日は、ちょっとミストラルが吹きまして、かなり寒かったんです。あんなとこへ飛び込んで、彼女すごく寒かったはづだぜ。あの真下にトゥールーズ・キャピトル座管の弦がいて、連中がわっと逃げたもんで、プラッソン大慌て…。あれは演出にはなかったはづだぜ。オケはマジに驚いていたみたいだもん。

keyakiさんへ:
 今思い出したんだけれど、僕が最後にライモンディを聴いたのがオランジュだったと記憶するんですが、そういう記録って残ってます?…。1990年代中盤から後半で演目は《トスカ》(スカルピア)、指揮が確かガリー・ベルティーニでフランス国立管、演出は誰だか忘れたけど、美術がコブラ派の画家のジャン=ポール・シャンバス。…だったとしたら録音や映像も残っているはづですが…。

 オランジュは一度は経験してみるべきです。ミストラルさえ吹かなければ、あんな気持ちの良い野外公演はないですよ。風が吹くかどうかは、その日の午後には判るから、吹きそうだったら、ホテルか下宿で毛布を借りていくんです。風が吹き始めたらセーターくらいないと耐えられません。

 でも、どういうわけだか、あすこで名演が起こるのは必ず風が吹いた日なんだよね。上に出てくる《ノルマ》(パターネ指揮:カバリエ+ヴィッカーズ)がそうでしょ。カール・ベーム指揮フランス国立管の《トリスタン》(ビルギット・ニルソン+ヴィッカーズ+ヴァルター・ベリー+ルート・ヘッセ)。僕が実際に経験したのもマレク・ヤノフスキ指揮放送フィル《トリスタン》で、この夜の ミストラルは特にモーレツだった!歌手たちはコートを羽織って熱演(セミ・ステージ形式)。ヤノフスキは途中で、もうヤメル!とベソをかいただけど、乗りに乗りまくったオケが、最後までヤル!と頑張ったんだ。
きのけん

投稿: きのけん | 2005/09/26 04:49

      
きのけんさん
>僕が最後にライモンディを聴いたのがオランジュ

だとすると1996年ジェフリー・テイト指揮、ココス演出の「ドン・ジョヴァンニ」です。
http://www.choregies.asso.fr/gb/19.html
最後のドン・ジョヴァンニということでしたが、今年の2月にCagliariで、ストレーレル原演出で上演しました。

きのけんさんがご覧になったのは、恐らく、2000年のトスカで、ホフマン物語と両方ご覧になったということではないですか?
http://www.choregies.asso.fr/gb/26.html

野外劇場で、雨が降ると中止ですが、他の日に見たい場合は優先的にチケットを確保してくれるのかしら。
それとも、残念でしたね!で終わりですか?

投稿: keyaki | 2005/09/26 10:01


keyakiさん、こんにちは。

2001年に私はまさに大雨のプロヴァンスに遭遇して、危うくエクスでの公演を見逃す破目になるところでした。あれは他の日のチケットも残っていなかったから、もし自分が見に行く日に大雨だったら、残念賞で終わりでしたね。日本から行ってそれはないだろう、という気もしますが・・・。

投稿: Orfeo | 2005/09/27 08:40

>keyakiさん:

そうそう、確かにそうでした。1996年の《ドン…》には行ってます。あの年は、その数ヶ月前ジェフリー・テイトのインタビュー (>)をやったもんで、その夏彼を南仏に追っかけたのでした。

http://perso.wanadoo.fr/kinoken2/intv/intv_contents/intv_tate.html

 自分でアップロードしといてすっかり忘れてんだから世話ぁないですが、2000年度のは詳しいレポートがアップロードしてありました。当時 Orfeoさんと交わした往復書簡まで引用されてます。

エクス+オランジュ+ラ・ロック・ダンテロン・リポート(上&下)
下:http://magicdragon-hp.hp.infoseek.co.jp/KK/kinoken8b.htm

上:http://magicdragon-hp.hp.infoseek.co.jp/KK/kinoken8.htm

(>Orfeoさん:ご覧の通り「Kinoken2」ができる以前のドラゴンHP、すなわち「Kinoken1」に入ってました)

 そうそう、あの年は非常に不幸な年でありまして、オランジュ市の市長に極右の代議士が当選しちゃったんです。フランスの極右政党「国民戦線」というのは、極左マルクス主義者の巣窟(!)たる文化省なんぞは撤廃してしまえ、美術担当国務長官が一人いれば十分だと主張する政党ですから、ボンパール市長は当選するなり、即座にオランジュ古代劇場への予算を全面カット。文化省、ローヌ=アルプス地方とヴォクリューズ県が慌てて臨時予算を計上して、どうやら音楽祭はできたんですが、巨額の古代劇場使用料はふっかけられる、リハーサルにも高額の使用料を課される…で、困り果てた音楽祭はリハーサルすべてを、隣町アヴィニョン市(こっちは社会党だった)の、例の Orfeoさんがパスカルやミンコに初めてお会いになった市立劇場でやったんです。だから、あの時は本当にぶっつけ本番同然だったんです。オランジュは以後主催者である市が抜けちゃったもんで法人組織に組織替え、民営になっちゃいました。

 ただ、ここは国立放送局のバックアップ(中継ライセンス+管弦楽団の使用)抜きでは成り立たない音楽祭なんで、必ず映像と録音が残ってますね。
きのけん

投稿: きのけん | 2005/09/27 20:12

ボエーム映像整理中です。TBさせていただきました。

投稿: edc | 2005/11/14 06:43


edcさん、TBありがとうございます。
TB返しさせていただきます。

投稿: Orfeo | 2005/11/14 08:58

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