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2005/08/14

『ファルスタッフ』(ロイヤル・オペラ)

dvd-falstaff-royal追悼 ジュリーニ

DVDライブラリーより。

シェイクスピアの国、英国に相応しい、本格的芝居仕立ての『ファルスタッフ』。ジュリーニが瑞々しく、格調高い音楽を響かせている。歌手陣も豪勢な面々が揃っており、ヴェルディの愉悦に溢れる名舞台になっている。映像監督がブライアン・ラージであるのが唯一残念だが、この際忘れることにする。

★★★★★

ファルスタッフ:レナート・ブルゾン
フォード:レオ・ヌッチ
アリーチェ:カーティア・リッチャレッリ
メグ:ブレンダ・ブーザー
クイックリー夫人:ルチア・ヴァレンティーニ・テッラーニ
フェントン:タルマシオ・ゴンザレス
ナンネッタ:バーバラ・ヘンドリックス
ほか

合  唱:コヴェントガーデン王立歌劇場合唱団
管弦楽:コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
指  揮:カルロ・マリア・ジュリーニ
演  出:ロナルド・アイアー

[  収録:1982年、コヴェントガーデン王立歌劇場  ]

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▼ジュリーニ

ジュリーニは、指揮活動をごく特定の幾つかのオケに限ってしまって以後も、パリ管には毎年のように客演していたので、1977年から、少なくとも1995年まで、ほぼ毎年実演に接することができました。

非常に残念なことに、ジュリーニはあれだけ相性の良かったパリ管との録音を一つも残していない(まったくレコード会社は何を見てるんだろうね!)。それに、1978年にウィーン交響楽団を辞した時、パリ管に来るなんていう話があったんです。当時、小澤征爾もボストンとの契約更新の時期に当たっていたため、パリ管のバレンボイムの後任はジュリーニか小澤だろうなんて噂がまことしやかに流されたものなんですが、小澤はボストンに留任、ジュリーニはロスへ行っちゃった。

でも、1970年代から80年代中盤までのジュリーニは、気力も充実していて、すごい馬力でオケを引っぱっていったものなんで、その頃の演奏(例えばブルックナーとか)をまざまざと憶えていたりすると、引退前の数年間は、見ていて、もう可哀想で、可哀想で…。指揮者ってのは、こんなになってまで演奏活動を続けなきゃならんものなのか?…と。ジュリーニは指揮台に乗ってるだけ。なにせパリ管はジュリーニが大好きだから、必死になって彼を支えてるんだよね。カラヤンは言うに及ばず、カール・ベームだって、チェリビダーケだって、ショルティだってこんなになる前に亡くなった。実際、この時期のジュリーニは、実演に接する度に、マジ、引退してくれた方がいいのに…と思ったものなんですよ。ただ、彼の衰えが進むに反比例してその名声は高まるばかり、まったく音楽ファンってのは、気力の衰えを音楽の深化と取り違えるくらいに健忘症なんで… 1970年代の彼がどんなにすごい演奏をやっていたか!…。

ジュリーニはオペラ録音史上に燦然と輝く歴史的名録音を少なくとも三つ残していると思います。まづルキノ・ヴィスコンティを演出に迎えたカラスとの《椿姫》のスカラ座ライヴ、次にフィルハーモニア管との《ドン・ジョヴァンニ》(…はフランスではオペラの全レコードの中で最も売れた~売れ続けている~ディスクなんです)、そしてコヴェント・ガーデンでの《ドン・カルロ》(これも演出ヴィスコンティ)の3点。いづれも、今もってこれを超える録音は出ていないんじゃない?…。

きのけん

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コメント

ブルゾンとヌッチ、リッチャレッリとヴァレンティーニ・テッラーニ
ほんと豪勢ですね。
私の好みで言えば、ファルスタッフはあまり若い歌手にはやってほしくない、ただデブというだけで、、、見ていてなんかムズムズします。
ブルゾンと言えば、来年早々、日本でドン・ジョヴァンニですが、ファルスタッフの方がいいとおもいますけど・・・ネ。

ライモンディの初ファルスタッフもあのユーグ・ガルの企画で豪勢なキャストだとおもいますが、orfeoさんのコレクションにはありますか? CSで放送されましたけど。

ええーー、ところで、前々からお伺いしてみたいなぁとおもっていることがありますので、この際、質問させて下さい。
>映像監督がブライアン・ラージであるのが唯一残念

オペラの映像好きの私にとっては、実は、映像監督で名前を知っているのは、ブライアン・ラージだけなんですけど、なぜなら、彼の撮影が多いということだけのことなのですが。
最近リリースされている映像は、オケピットの楽器の一部分をアップして、楽器当てクイズのようなものもあったりで、舞台の写し方もかなりひどいものが多いので、そういう点から言えば、ブライアン・ラージの方が、まともなような気がします。
どういう点が、ダメといわれるのかと、ダメでない撮影監督がとったオペラの映像を参考までに教えて頂きたいのですが、よろしくお願いします。

投稿: keyaki | 2005/08/14 09:23


keyakiさん、こんにちは。
ブルゾンは、やはりドン・ジョヴァンニというよりファルスタッフですよねえ。
同感です^_^;;
ライモンディのファルスタッフは残念ながら目にしていません。ウチはCS、見れないもんで・・・。

ブライアン・ラージについては、明日のオペラ・レヴューを読んでいただければと思います。だいたい、オペラの映像監督として、自分の名前を声高に喧伝しているのは彼ぐらいでしょ。下手すりゃ、表紙ジャケットにまで名前をクレジットさせたりしている。これは一種のオレオレ詐欺ではないかと・・・(爆)。おかげで、こちらはそれを買い控えることが出来るという利点もありますけど。

推薦映像ですか?いくらでもあると思うんですけど。例えば、ミンコフスキの『プラテー』(パリ・オペラ座)なんかどうでしょう。ローラン・ペリーの動きのある演出を巧みに捉えた映像だと思いますよ(ちなみにFRANCE 3の撮影)。

投稿: Orfeo | 2005/08/14 18:29

>オペラの映像監督として、自分の名前を声高に喧伝しているのは彼ぐらいでしょ。
そうなんでしょうね、私が知っているくらいですから。
私が、知ったのは、シェロー演出のリングのメイキングで、いろいろ語っていたからですけど、オペラ映像化の草分け的存在だと認識していました。

私も、なにを見たときか完璧に忘れていますが、ちょっとこの撮影は???と思ったことがあって、誰かしらと確認したら、ブライアン・ラージだったので、「へぇーー、彼も仕事が多すぎて、自分でやらないで、他の人にまかせてるのかな」なんて、想像してました。

アップの多用をはじめたのが、ブライアン・ラージということなんですね。
オペラに限らず、舞台の映像化は、昔のNHKの歌舞伎中継のようにただ、舞台全体を写しているだけの方がましだ、みたいな考え方をする人もいますし、難しいところですね。

ちょっと、ライモンディ関連の映像を調べてみましたら、「再現トスカ」にもブライアン・ラージの名前を発見しましたが、これは、撮影はヴィトリオ・ストラーロですし、ブライアン・ラージのお仕事は何でしょうか?

もう一つ、ジョナサン・ミラー演出の「フィガロの結婚」のLDに名前がありますが、これは、ビデオ化される前にBS2で放送されています。
Orfeoさんは、多分録画されていると思うのですが、BSで放送されたものに、ブライアン・ラージの名前がクレジットされているのでしょうか?
というのは、LDとBS2ではカメラのアングルが微妙に違っているところがあるので、NHKが独自に撮影したのかな?と思ってました。
私も録画していたのですが、ビデオが行方不明なんです。(誰かにあげちゃったようなきもします)
ご迷惑かとは思いますが、お時間のあるときにチェックして頂けませんでしょうか。

投稿: keyaki | 2005/08/15 09:52


残念ながら、ジョナサン・ミラーの『フィガロ』は録画し損ねまして・・・。LDの方は図書館で見たんですけどね。というわけで、お力にはなれませんです。
どなたか、この『フィガロ』を録画した方、確かめてやってくださいませんか~~!

投稿: Orfeo | 2005/08/15 18:39

>録画し損ねまして・・・
あらぁ、残念です。
あの頃のBSは、とりあえず字幕無しで放送して、後で字幕をつけて再度放送とかもあったりで、いい時代でした。

皆様にお声をかけて下さって、お心遣いありがとうございます。

投稿: keyaki | 2005/08/16 01:22


どういたしまして。
反応があるといいのですが・・・。

投稿: Orfeo | 2005/08/16 16:29

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» ヴェルディ「ファルスタッフ」コヴェントガーデン1982年 [雑記帳]
「ファルスタッフ」がおもしろいと思った最初の映像。ほんとに可笑しくて何度もおもわず吹き出してしまいました。最初の大騒ぎの場面から、引込まれますが、クイックリー夫人のファルスタッフ訪問場面は最高に可笑しいです。つづくフォンタナ氏実はフォード氏の来訪も傑作。初めから終わりまで、すばらしい喜劇が楽しめます。何度見ても笑えます。古めの映像なので画質があまり良くないことと、DVDがないようなのが残念です。 登場人物全員それぞれとっても魅力的です。特にリッチャレッリは、彼女の他のどの舞台映像に比べても、び... [続きを読む]

受信: 2006/09/22 06:32

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