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2005/08/09

『アルチーナ』(シュトゥットガルト州立歌劇場)

dvd-alcinaDVDライブラリーより。

ヘンデル作。

元々は中世の騎士物語になっているこのオペラを、今回の舞台ははやりの現代版に置き換えている。舞台は巨大な鏡が正面に掲げられたゴテゴテした装飾の部屋の中。現代版演出にはありがちなことだが、三つ揃いのスーツに身を固めたまま剣術を披露したり、狩猟という口実で武器を身に付けるのに取り出したのが楽器のホルンだったり、最後は本当はルッジェーロが魔法の力の源泉である壷を壊すことですべての魔力から解放される話の筈が、ルッジェーロに成り代わり、鏡の中のメリッソが拳銃でアルチーナを撃ち殺してしまったり(一言付け加えるなら、このメリッソが現われる鏡というのがクセモノで(実は中身はカラ)、どうやらそれは魔法の世界と現実世界を繋ぐ回路になっているらしく、そこには様々な幻影が出て来るなどして、話の途中なんとも便利な使い方をされている。鏡の国のアリス、ならぬ、鏡の国のアルチーナ、にでもしたかったのでしょう)、などといった、荒業ともいうべき演出が目立っている。しかも、それで一旦消えてしまったアルチーナが、また何気なく部屋に戻って来て、壁に寄りかかって残った者たちの様子を冷ややかに伺っている、という落ちが付いて幕。かくも独りよがり(あっ、二人か)な演出が邪魔になり、音楽には全然集中出来ません。愛の虚像を現代的に描きたくなるのは分かりますが、是非普通の演出で見てみたいオペラです。

★★

アルチーナ:キャサリン・ネイグルステッド
ルッジェーロ:アリス・クート
ブラダマンテ/リッチャルド:ヘレン・シュナイダーマン
モルガーナ:カトリオナ・スミス
オロンテ:ロルフ・ロメイ
メリッソ:ミヒャエル・エベッケ
オベルト:クラウディア・マーンケ
アストルフォ:ハインツ・ゲルガー

管弦楽:シュトゥットガルト州立管弦楽団
指  揮:アラン・ハッカー
美  術:アンナ・ヴィーブロック
演  出:ヨッシ・ヴィーラー、セルジョ・モラビート

[  収録:2000年5-7月、シュトゥットガルト州立歌劇場  ]

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