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2005/08/04

『フィガロの結婚』(シャトレ座)

dvd-nozzedifigaro-chateletDVDライブラリーより。

木々を映し出す影絵模様の背景と、衝立だけで組み立てられた屋敷。サパウンジー作の簡素なセットがなかなか洒落ている。余計なものを一切そぎ落とした感じのその舞台が、ガーディナーとイングリッシュ・バロック・ソロイスツが奏でる簡明な古楽の響きとよく融け合っている。

ちょっと舞台から離れた私見になってしまうが、『フィガロの結婚』というオペラは、出て来る男がみんなホント情けないと思う。よく人は『コジ・ファン・トゥッテ』のことを女性蔑視でけしからん、なんて言うけれども、それなら『フィガロ』は男性蔑視なんじゃなかろうか、と私は勝手に思っている。だってそうでしょう、使用人の娘に入れ込んでしまうアルマヴィーヴァ伯爵は勿論のこと、フィガロだってお目出度くて頼りにならないし(スザンナなしではどうにもならない。挙句に自分の母親と結婚する破目に陥りそうになるのだからホント馬鹿)、ケルビーノは優柔不断で情けないし、バルトロはマルチェリーナの言いなりだし、ついでに庭師はウスノロだし(笑)。ジェンダー意識、ここに極まれり、という感じがする。このオペラは、だから、本当は『フィガロの結婚』というよりも、『スザンナの結婚』と呼ぶべきなんじゃなかろうか?

というわけで、情けない男性側に身を置く自分としては、スザンナがあまりに才気走っているとチト辛い。そこをいくと今回のシャトレ座の舞台では、勝気過ぎず、程よい具合に爽やかな大人の色気を醸し出しているハグリーのスザンナが絶妙だと思う。私にとっては理想的なスザンナだ。という意味で、たいへん素晴らしい舞台だと思う(私が馬鹿?)。

★★★

アルマヴィーヴァ伯爵:ロドニー・ギルフリー
伯爵夫人:ヒルヴィー・マルティンペルト
スザンナ:アリソン・ハグリー
フィガロ:ブリン・ターフェル
ケルビーノ:パメラ・ヘレン・スティーヴン
マルチェリーナ:スーザン・マカロー
ドン・バジリオ/ドン・クルチオ:フランシス・エジャートン
バルトロ:カルロス・フェラー
アントニオ:ジュリアン・クラークソン
バルバリーナ:コンスタンツェ・バッケス

合  唱:モンテヴェルディ合唱団
管弦楽:イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
指  揮:ジョン・エリオット・ガーディナー
美  術:ルディ・サパウンジー
演  出:ジャン・ルイ・タマン

[  収録:1993年6月、パリ・シャトレ座  ]

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コメント

きえーっ!こんなのが出てるよ!
このガーディナーのモーツァルト・オペラ・シリーズは当初シャトレ座で録音するはづだったんです。ところが、あの劇場は地下鉄の音が入っちゃうんだよ。それで、ロンドンで録音することになっちゃった。

シーズン1作のペースで作っていた制作も途中で中断。というのも、ステファヌ・リスネルとしては当然、ちゃんとした演出家を使いたいわけ。ところが、当時ガーディナーは一番多忙な時期で、まともな演出家とリハーサル6週間なんて時間はとても割けないわけ。おまけに、自分に演出もやらせろと言い出したもんで(実際《コジ》はガーディナー演出)、リスネルの方じゃ、カチン!ときた。それでつぶれちゃったというわけ。

それに、あいつ、ひどいんだよ!パリとロンドンじゃ、1時間の時差があるでしょ。それを利用して、朝シャトレ座でリハーサルをやって、その足で飛行機でロンドンへ飛び、午後あっちで別のリハーサル。その足でパリへ戻って、夜本番…だなんて!よくやるよなあ…。

結局、ガーディナーがまともな演出家と組んだのは初っ緒の《後宮…》ただ1本だけ。これは当時ストレーレルの後任として、彼の直弟子でヨーロッパ劇場の総監督に収まっていたスペインのルイス・パスクヮルがやってました。この時点では随分期待できたんですがね。

その数年後、エクスで《コジ》を採り上げたリスネルに、これはあれの復讐戦だろう、と訊ねたら、そうだと言って笑ってました。だから指揮はルネ・ヤーコプス。今回のシェロー版の前のヤツだね。

ここでのジャン=ルイ・タマンは当時ニース新市立劇場の総監督だった芝居の演出家なんだけれど、実は、リスネルはシャトレ座の会計に雇われる以前はタマンの下で会計主任をやってたんです。
きのけん

投稿: きのけん | 2005/08/04 06:57


リスネル、そろばん勘定にうるさいわけだ(笑)。
続けてコジのほうもアップしておきます。

投稿: Orfeo | 2005/08/04 12:12

 こんにちは~♪

読んでてなるほどなるほど・・・なんて感心しちゃいました^^
確かに男性陣が情けないですよね。。

そうですか。このシャトレ座の舞台はスザンナが素敵でしたか。

やっぱ女性は奥ゆかしく優しく・・・が理想なのですね^^

投稿: プラム | 2005/08/04 12:48


こんにちは、プラムさん。
ご共感いただけて、嬉しいです^_^;;
やはり女性は、清く正しくつつましく、かな?

投稿: Orfeo | 2005/08/04 16:41


こんにちは!

にゃは、面白いご意見ですね。
言われて見ると確かに情けない男性陣・・・
まあ徹底的にそんなところが楽しいということになるのかな^^
才気走ってはおりませんが、勝気代表の私としては
Orfeoさんのお好みには合いませんねえ
色気も無いしね~・・・(^。^;

投稿: hiyoko | 2005/08/04 18:11


こんばんは。
色気があるかどうかは存知ませんが、食い気はありそうですよねえ、ひよこさん(失礼!)。

投稿: Orfeo | 2005/08/04 19:52

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