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2005/07/24

『ルル』(チューリヒ歌劇場)

dvd-lulu-zurichDVDライブラリーより。

ポスト・モダニズム満開の舞台。演出のベヒトルフは俳優、演出家として演劇界で活躍している人だが、ここチューリヒでは音楽監督のウェルザー=メストと組んでしばしばオペラを手掛けている。チューリヒ歌劇場というのは、このベヒトルフに限らず、斬新、先鋭な舞台を次々と発表し、今日ヨーロッパでも最先端を行く劇場として高く評価されているが、これではたして地元の観客はちゃんと付いて来ているんだろうか?なにやら経営が悪化しているという話も耳にするし、なにかそっちの方が心配だ。

さて、今回の『ルル』(ちなみに二幕版)。ベヒトルフの表現は、ベルクの音楽を単調な行為の羅列に貶めてしまったようだ。身体は空洞化され、マネキン人形、赤い薔薇、車椅子、等々の小道具が次々と繰り出される。途中音楽に重ねるようにフィルム映像まで駆使されて、舞台そのものまでが異化される。ルルを演じるエイキンは体当たりの演技で熱演しているが、この没個性的、非人格的な舞台の中では所詮埋没していくしかない。最後にジャックに殺されて、新聞紙の山の中に埋もれていったのがなんとも象徴的だった。メストの表現も平板過ぎて、音楽全体に色艶が不足している。

★★

ルル:ローラ・エイキン
ケシュヴィッツ伯爵令嬢:コルネリア・カリッシュ
ゴル博士:ペーター・ケラー
ウルター:スティーヴ・デーヴィスリム
シェーン博士:アルフレート・ムフ
アルヴァ:ペーター・シュトラーカ
シゴルヒ:グイード・ゲッツェン
ほか

管弦楽:チューリヒ歌劇場管弦楽団
指  揮:フランツ・ウェルザー=メスト
演  出:スヴェン・エリック・ベヒトルフ

[  収録:2002年10月、チューリヒ歌劇場  ]

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