« 2005/07/28 | トップページ | 『椿姫』(ミラノ・スカラ座) »

2005/07/29

『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(メトロポリタン歌劇場)

dvd-meistersinger-metDVDライブラリーより。

オーストリアの演出家、オットー・シェンクはウィーンはもちろん、世界中のオペラハウスで数々の名舞台を世に送り出してきたが、ここメトロポリタン歌劇場でも過去に有名な『指環』四部作(1989)などを手掛けている。この人の仕事はあくまで台本=音楽に忠実だ。下手な小細工はしない。下手な自己主張などもしない。いわば職人肌の人なんだろう。今回の『マイスタージンガー』も、そんな彼の特質が発揮された舞台だと思う。木目調が映える第1幕、夕闇の石段が印象的な第2幕、遠景が美しい第3幕、どれもけっして華美に走らず、構図的に均整の取れた、味わい深い舞台になっている。歌手も錚々たる顔ぶれが揃っているが、ワーグナーの場合、歳がどうだとか、見てくれがどうだとか、そんなことを気にしていてはいけない。それを気にすると、まるで不条理劇になってしまうから(・・・婚期を逃した娘を体よく結婚させようとしている、なんとも調子のいい親馬鹿物語?)。レヴァインが毎度ながら堅実な音楽を聴かせている。

★★★

エヴァ:カリタ・マッティラ
マグダレーネ:ジル・グローヴ
ワルター:ベン・ヘップナー
ハンス・ザックス:ジェームズ・モリス
ダーヴィット:マシュー・ポレンザーニ
ベックメッサー:トーマス・アレン
ポーグナー:ルネ・パーペ
ほか

合  唱:メトロポリタン歌劇場合唱団
管弦楽:メトロポリタン歌劇場管弦楽団
指  揮:ジェイムズ・レヴァイン
美  術:ギュンター・シュナイダー・ジームセン
演  出:オットー・シェンク

[  収録:2001年12月8日、メトロポリタン歌劇場  ]

|

« 2005/07/28 | トップページ | 『椿姫』(ミラノ・スカラ座) »

コメント

このオペラはメトロポリタン歌劇場のこの版しか全幕を通して観た事が無いのですが、マイスタージンガーの一人が盗作?を発表して大失態をしでかすあたりが好きになれませんで、その後の終幕に続く盛り上がりも乗って観る事が出来ませんでした…。元々ストーリー的に私が受け入れ難いのか、又別の演出なら違うのか?が気になるところです。

投稿: simulacra1984 | 2005/07/29 18:05


simulacraさん、どうも。
ベックメッサーの扱いはたしかにヒドイですよね。ヒュー・ヴィッカーズが著書の中で、「そろそろベックメッサーが優勝して終わる新演出が出て来てもいいんじゃないか」なんて語っていますが、私もそう思います(笑)。

投稿: Orfeo | 2005/07/29 19:32

そんな話があるってことは、あの酷い扱いが王道的な演出なのですね。(^^;)

投稿: simulacra1984 | 2005/07/29 20:10


まさしく(笑)。

投稿: Orfeo | 2005/07/30 08:40

昨日映画で見た「フィガロ」の感想でも書きましたがメトってほんとにすごい歌手陣を揃えますね。私が観たコヴェントガーデンの記録と比べて、つくづくそう思います。でも、そういう人たちに実力を思いっきり発揮させるレヴァインの指揮もたいしたものですね。

投稿: dognorah | 2005/07/30 09:12


dognorahさん、どうも。
なにせ国や市が運営しているところと違って、パトロン、スポンサードがしっかり付いているところですからねえ。並みのキャストじゃ観客も満足してくれない、まったくもって凄いところだと思います。

投稿: Orfeo | 2005/07/30 13:13

simulacraさん:
>マイスタージンガーの一人が盗作?を発表して大失態をしでかすあたりが好きになれませんで、

orfeoさん:
>ベックメッサーの扱いはたしかにヒドイですよね。

ヴォルフガンク・ワーグナー自身そう思ったらしくて、ヘルマン・プライをベックメサーに使った制作では、その辺りを演出で修正してますね。
そういや、その数年前フランスのナンシーで見た《マイスタジンガー》もベックメサーが主役みたいなもんでした。当時駆け出しの新人だったアイケ・ヴィルム=シュルテが無声映画のドタバタ喜劇風に舞台をはね回って、ひょっとしたらこれが僕がこれまでに見た最高の《マイスタジンガー》だったかも?…。
きのけん

PS:ここでは前のメッセージをコピー&引用できないなあ、と思ってたら「確認」画面で出来ました。やってみるもんだね(笑)。

投稿: きのけん | 2005/07/30 18:38

orfeoさん:
>なにせ国や市が運営しているところと違って、パトロン、スポンサードがしっかり付いているところですからねえ。

その代わり、演出面では世界最低のオペラ座なんじゃないかな?…。ザルツブルクでモルチエはジェイムズ・レヴァインをものの見事に追い出したでしょ。それ以前彼はバイロイトとザルツブルクを自家用機で往復して毎日のように取っ替え引き替え両方で振っていたんだからね(笑)。
それに、例えばステファヌ・リスネル時代のパリ・シャトレ座では新制作の場合、演出家+指揮者+キャスト全員を揃えたリハーサル最低6週間を義務づけていたからスターは呼べません。バレンボイムだってデュトワだって、ヴァルトラウト・マイヤー様だってそれを守ってました。これに引っ掛かって、あっさり追っ払われちゃったのが《影のない女》でのジュゼッペ・シノーポリとシェリル・スチューダーで、あっさりクリストフ・フォン・ドホナーニとザビーネ・ハースに変更。
ベルリンとの共同制作で《フィデリオ》を作った時、演出家のステファヌ・ブロンシュヴェイクが吃驚仰天してましたよ。バレンボイムがちゃんと6週間前にやってきて、演出のリハーサルに毎日通って来るってんで…。
そういやブーレーズが《ペレアス》をやった時も、これはウェルシュ・ナショナル・オペラとの共同制作で、あちらで作ったんですが、あの超多忙なブーレーズが、まるまる2ヶ月間あっちへ行きっぱなし。歌手の指導をするところから全部自分でやったらしい!。その間、もちろん演出のペーター・シュタインも付きっきり。
こういうことができない限り、オペラはどんどん骨董品化していきます。
きのけん

投稿: きのけん | 2005/07/30 19:10


きのけんさん:
>ヴォルフガンク・ワーグナー自身そう思ったらしくて、
>ヘルマン・プライをベックメサーに使った制作では、
>その辺りを演出で修正してますね。

ヴォルフガング・ワーグナーの『マイスタージンガー』って、そういう演出になってるんでしたっけ?私、彼のプロダクションて、どうも苦手でして・・・。今度ちゃんと見直そっと。

>ここでは前のメッセージをコピー&引用できないなあ
そうなんですか?こちらではFirefoxでもIEでも普通に出来ますが・・・。MacのIEやネスケじゃ駄目なのかなあ。よく分かりませんね。

投稿: Orfeo | 2005/07/30 19:57

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/122009/5214475

この記事へのトラックバック一覧です: 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(メトロポリタン歌劇場):

« 2005/07/28 | トップページ | 『椿姫』(ミラノ・スカラ座) »